2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22500365
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
當瀬 規嗣 札幌医科大学, 医学部, 教授 (80192657)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
一瀬 信敏 札幌医科大学, 医学部, 助教 (60448610)
前田 佐知子 札幌医科大学, 医学部, 助教 (80343391)
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Project Period (FY) |
2010-10-20 – 2013-03-31
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Keywords | カルシウムチャネル / タンパク定量 / パッチクランプ / 心臓原基 |
Research Abstract |
本研究は、「心臓はいつどのように動き出すのか?」という根本的な疑問の解明を目的としている。前年度までの研究により、心拍動が開始されるラット胎生10.00~10.15日目の心臓原基において、自発的かつ継続的な活動電位発生の引金を引く“キー電流”はα1D型カルシウムチャネルであると考えられた。そこで、心拍動開始時期に実際にα1D型カルシウムチャネルがタンパク分子として存在するかどうかを、ウエスタンブロット法により確認した。 この時期の心臓原基は、0.4×0.05㍉と非常に小さいため、通常のウェスタンブロットでは、検出が不可能であった。そこで、新たに開発された高感度ウエスタンブロット法を導入し、検討を加えた。その結果、この時期の心臓原基にα1D型カルシウムチャネルが一定量発現していることが確認された。ただし、その分子量は遺伝子全長から計算されるものより少なく、このことから心臓原基においては、タンパク分子発現後にタンパク分解酵素によりC末端が切り離されて存在していることが明らかとなった。そこで、切り離されているα1D型カルシウムチャネルが、実際に機能しているかどうかを、胎生11日目の心臓原基から単離した心臓原基細胞にパッチクランプ法を適用し、膜電流を測定した。結果として-40mV以上で活性化するα1C型カルシウムチャネルに加えて、-60mV以上で活性化する内向きカルシウム電流を検出し、これがα1D型カルシウムチャネルによる電流であると考えられた。 本研究により、新たに導入した微少量ウエスタンブロット法を用いることにより、心拍動開始時期の心臓原基のウエスタンブロットが可能であることが証明できた。また、実際にα1D型カルシウムチャネルが分子として存在し、機能していることが明らかとなり、心拍動開始のキー電流であることが確実となった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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