2010 Fiscal Year Annual Research Report
脳-筋運動系への種々感覚入力の影響~コヒーレンス解析~
Project/Area Number |
22500372
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
村山 伸樹 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (60094108)
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Keywords | 脳・神経 / 脳-筋コヒーレンス / 運動システム / 感覚-運動系干渉作用 / 脳内意識レベル |
Research Abstract |
これまでの研究で、単純な2個の図形をランダムに表示する視覚情報刺激で、この図形を無視すると脳一筋コヒーレンスは図形表示が無いコントロール時と比較して有意に増大すること、また、1個の図形をカウントするとコヒーレンスが増大傾向にあることが報告されている。 本研究では、聴覚刺激を用いて以下の実験を行った。 (1)1KHzのクリック音を両耳に同時に与える。この時の音圧として可聴閾上刺激、40dB、60dB,80dBの4種類について、音を無視する条件および音をカウントする条件を行った。その結果、いずれの音圧を与えた際にも無視条件でコヒーレンスがコントロールに比べて増加傾向が有ることがわかった。 (2)(1)の実験で最適音圧刺激を調べた後に、その音圧を用いて1KHzのクリック音を両耳にランダムに与えて、音を無視する条件,どちらか一方の耳で聴いた音をカウントしてもらう条件を行なった。その結果、無視条件ではコントロールと比べて変化を示さなかった。一方、カウント条件では右耳への音をカウントする時および左耳への音をカウントする条件ともコントロール値に比べて増加していたが有意な変化ではなかった。 (3)ヒトの朗読音を被験者の両耳に与えて,これを無視する条件,意味を認知する条件を行なった。その結果、無視条件ではコヒーレンス値は変化しなかったが、意味を認知する条件下ではコヒーレンス値がコントロールに比べて有意に減少を示した。 平成22度の実験計画では、他に(4)ヒトの声を被験者の片耳に与えて,これを無視する条件,意味を認知する条件および(5)ヒトの声を被験者の片耳に与えて,これを無視する条件,意味を認知する条件を行ない、脳-筋コヒーレンスの変化を調べる。この2項目を遂行することになっていたが、10月からの採択であったために遂行することが出来なかった。平成23年度に継続して行う予定である。
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