2012 Fiscal Year Annual Research Report
脳皮質神経カラム電気刺激による人工感覚の生成とその制御
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22500375
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
高島 一郎 独立行政法人産業技術総合研究所, ヒューマンライフテクノロジー研究部門, 研究グループ長 (90357351)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 膜電位イメージング / 体性感覚野 / バレル皮質 / 触知覚 / 電気刺激 |
Research Abstract |
ラット一次体性感覚野バレル皮質に膜電位イメージング手法を適用すれば、個々の頬ヒゲに順次感覚入力を与えた際、バレル皮質全体に惹起される神経興奮応答を可視化することができる。頬ヒゲ刺激の方向や速度を制御すると、バレル皮質には特徴的な応答の時空間応答パターンが画像化されるが、本研究課題の目的は、このバレル皮質上の神経活動の時空間パターンを、脳への直接電気刺激により再現することにある。 本年度、脳表を硬膜上から電気刺激するための電極シート基板を作製した。電極シートは透明PET基板上に 3x3, 3x2 等の刺激電極点をアレイ上に配置した構成であり、電極パッドと配線領域以外は透明であることから、脳表を電気刺激して惹起される皮質脳神経活動を、電極基板シート越しに膜電位イメージング法で捉えることが可能となった。刺激電極をバレル皮質の吻側外側部-中央部-尾側内側部の位置に直線上に配置し、様々な電気刺激パラメータで3電極サイトに電気刺激を与え、惹起されたバレル皮質全体の応答をイメージング解析した。本実験の結果、適切な刺激強度で、3電極間に適切な時間差を与えて脳表をパターン電気刺激することにより、バレル皮質上を吻側から尾側方向に、あるいは、尾側から吻側方向に伝播する神経興奮の時空間パターンを再生することに成功した。刺激電極点密度が粗いため(電極間隔1.6mm)、実際にラット頬ヒゲを前後方向にブラッシング刺激して記録される皮質応答パターンの詳細な特徴を再現することは困難であったが、最もシンプルな3電極パターン刺激によっても、バレル皮質が触知覚方向を表現する応答の特徴を再現できたと考察された。そこで、脳表電気刺激シート基板を硬膜上に慢性的に留置し、覚醒下動物のバレル皮質を電気刺激する実験系を確立した。現在、電気刺激によって再生された感覚によっても触方向弁別課題が遂行できることを検証中である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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