2011 Fiscal Year Annual Research Report
ドップラ光コヒーレンス断層法による脳皮質深部微小循環調節機構の解析
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22500376
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
関 淳二 独立行政法人国立循環器病研究センター, 生体医工学部, 室長 (20163082)
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Keywords | ドップラOCT / 神経循環カップリング / 局所循環調節 / 脳機能イメージング / 機能的カラム / 層構造 / 穿通枝血管 / 周波数領域OCT |
Research Abstract |
脳皮質は機能的カラム・層構造とよばれるサブミリメータスケールの構造を有し、神経活動も空間的に局在化している。神経活動に伴う酸素需要の増大は局所血流の増大を必要とし、神経循環カップリングと呼ばれる血流調節が為されている。このような脳皮質内の血流調節機構を解析するためには、脳皮質を数μm程度の空間分解能で深さ数mmまで計測する必要がある。光コヒーレンス断層法(OCT)は、観察可能深度・空間分解能の条件はこれを満たしているが、単に構造画像のみでは皮質深部の微小血管を識別することは困難である。本研究では、血流によるドップラ周波数偏移を検出し微小血管のマーカーとすることにより、脳皮質深部微小血管の3次元構築及び血流速度分布の計測法を確立し、神経活動に伴う脳局所血流変化の解析に応用した。 これまでにラットを用いたin vivo実験によって、本手法が大脳皮質の深さ2mm程度までの微小血管の可視化とともに、深部微小血管の血流速度を定量的に評価出来ることを示した。更に、同時計測した大腿動脈圧を基準にして深部微小血管血流の拍動性を定量化でき、動脈、静脈の分別を可能にした。時間領域OCTを用いて皮質深部微小血管を可視化し、下肢電気刺激をした際の神経活動による血流変化を体性感覚野の広い範囲で計測しデータを収集した。 周波数掃引レーザを光源に用いて新たに周波数領域OCT法を導入するとともに、ガルバノスキャナーを用いた2次元走査を行うことによって、OCT画像取得を大幅に高速化することが出来た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
時間領域OCTによる皮質深部微小血管の可視化、神経活動による変化を脳皮質体性感覚野の広い範囲で計測できた。更に周波数掃引光源を用いた周波数領域OCTへの発展、ガルバノメータスキャナによる高速2次元走査により、構造画像の高速度取得のためのシステム改良は達成できた。しかし、この手法によるドップラ計測法が未だ確立出来ていない。
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Strategy for Future Research Activity |
データ処理法を工夫することにより、周波数領域ドップラOCT法の確立に注力する。 組織内部の微小血管の実時間in vivo計測を可能にする改良を行う。
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