2012 Fiscal Year Annual Research Report
幼若期におけるストレス応答に対する快情動形成の役割―快情動モデルラットでの検証
Project/Area Number |
22500378
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Research Institution | 公益財団法人国際科学振興財団 |
Principal Investigator |
堀 美代 公益財団法人国際科学振興財団, バイオ研究所, 専任研究員 (90399329)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 一夫 筑波大学, 人間系, 准教授 (30282312)
一谷 幸男 筑波大学, 人間系, 教授 (80176289)
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Project Period (FY) |
2010-10-20 – 2013-03-31
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Keywords | Tickling / 情動 / 幼若期 / ストレス / 恐怖条件づけ / モリス水迷路 / ドパミン |
Research Abstract |
本研究では、幼若期における情動の形成や脳の発達に対する快刺激の関与を解明する。隔離飼育によるストレス脆弱性に対する快刺激が及ぼす効果を、行動学的指標と分子生物学的指標をもとに検証する。22、23年度は持続的な遊び刺激(tickling)の効果を恐怖条件づけのストレス応答性の違い、空間認知能力や新奇性希求能力によって検証した。隔離飼育下の仔ラットは、快情動(50kHz音声)を伴う遊び刺激を経験することにより、自律神経系のストレス応答性や恐怖反応が軽減され、特に個別飼育によりもたらされた消去の阻害が抑制されており、快情動がストレス耐性効果をもたらす可能性が示唆された。また、モリス水迷路課題において、隔離飼育によって成熟後に顕著化した空間学習の獲得の遅延が、幼若期に遊び刺激を受けることよって正常化することを確認し、快情動が記憶・学習の中枢である海馬に作用することが示唆された。本年度は、さらに海馬を介する作業記憶・参照記憶能力に対する快刺激の作用を放射状迷路課題により検証した。その結果、統計的有意差はないが、成熟後のラットが学習基準に達するまでに要した日数は、隔離飼育により増加し、社空間学習能力を阻害する可能性が示唆された。しかし、本課題の結果からは、ticklingがその阻害に対して何らかの影響を示すような明確な効果は得られなかった。 次に、tickling刺激の脳内報酬系への作用を検証するために、側坐核のドパミン分泌量をマイクロダイリシス法により測定し、tickling刺激が50kHz音声を誘発するとともにドパミンの分泌を促すことを確認した。さらに、ticklingによる音声誘発はドパミン受容体遮断薬を側坐核に直接投与することにより阻害され、特に、flat50kHz音声成分には関与せず、快情動音声の主要成分とされるFM50kHz音声成分のみを減少させることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(7 results)