2010 Fiscal Year Annual Research Report
マウスのセンダイウイルス感染抵抗性/感受性における系統差の責任遺伝子同定
Project/Area Number |
22500381
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
安居院 高志 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 教授 (00212457)
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Keywords | センダイウイルス / 感染抵抗性/感受性 / Quantitative trait loci / コンジェニックマウス |
Research Abstract |
センダイウイルスはマウスに肺炎を起こす病原体で、実験用マウスコロニーでは最も感染事故の多い病原体の一つである。従来より、マウス系統により感染抵抗性/感受性が異なることが知られていたが、我々は抵抗性及び感受性系統の代表格であるC57BL/6(B6)及びDBA/2(D2)系統を用い、両系統の交配により作製したバッククロス個体群を用いたquantitative trait locus(QTL)解析により、3つのQTLs(SeV1,2,及び3)の相互作用により両系統の抵抗性及び感受性の形質を説明できることを明らかにした(A.Y.Simon, et al.Multigenic control of resistance to Sendai virus infection in mice. Infect. Genet. Evol.,9,1253-1259, 2009)。本研究はこれらQTLs中に存在する責任遺伝子を同定することを目的としている。責任遺伝子同定のためには、まずB6及びD2マウス間で、これら領域(QTLs)を互いに単独に入れ替えたコンジェニックマウスを作製し、これらの領域(QTLs)の保有の仕方で抵抗性/感受性の表現型を再現できるかどうかを確認する必要がある。平成22年度はスピードコンジェニックの手法を使ってこれらコンジェニックマウスの作製を行った。まずB6とD2マウスを交配しF1マウスを作製し、それをB6もしくはD2マウスに戻し交配し、N2マウスを得た。N2♂マウスのうち、まずSeV1,2,及び3周辺のマイクロサテライトがドナー由来の遺伝子型を持つマウスを選抜し、更にその中から全ゲノム領域中に設定した約100種類のマイクロサテライトが最もレシピエント由来の遺伝子型に置き替わっているマウスを選抜し、それぞれB6♀もしくはD2♀と交配しN3世代を得た。再び同様の選抜を行い、次の世代を得た。これを5-7世代繰り返すことで、SeV1, 2,及び3領域はドナー由来で、他の領域は全てレシピエント由来のゲノムに置き替わったコンジェニックマウスを3系統ずつ、計6系統作製することができた。
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