2011 Fiscal Year Annual Research Report
部位特異的組換え酵素群を駆使した、マウス生体における多段階遺伝子発現制御法の確立
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22500384
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
市瀬 広武 東京大学, 医科学研究所, 助教 (10313090)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 進昭 東京大学, 医科学研究所, 教授 (10250341)
市瀬 多恵子 東京大学, 医科学研究所, 助教 (00396863)
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Keywords | Cre/loxP / FLP/FRT / Dre/rox / 部位特異的組換え酵素 / マウス |
Research Abstract |
本研究では、Cre/loxPシステムを利用したマウスでの時期・組織特異的遺伝子改変技術に加え、新規に開発された部位特異的組換え酵素とその標的配列であるDre/roxシステム、組換え効率の向上化が進められているFLP/FRTシステムをさらに組み合わせることで、マウス生体での高度な遺伝子改変を行う技術基盤の確立を目的とする。 平成23年度においては、以下の実験を実施した。1)内皮細胞系列での発現誘導に有用であり、かつ、Rosa26遺伝子座の代替となることが期待される、CGH4遺伝子座(Ichise et al.,2010)を、平成22年度においてクローニングしたが、さらに、当該領域に対するES細胞での相同組換えにより、Creインディケーターとなるレポーターコンストラクトを導入したマウスを作成した。そして、内皮細胞系列でCreを発現する遺伝子導入マウスとの組み合わせによって、内皮細胞系列でのレポーター遺伝子の発現誘導が起こることを確認した。2)CGH4遺伝子座と改良型DT-Aカセットを利用したターゲティングベクターのバックボーンを用いて、解析対象とするcDNAの発現誘導が可能なコンストラクト3種類を相同組換えによって導入した結果、高い効率で相同組換えES細胞が単離できることを確認した。3)Dre/roxおよびFLP/FRT遺伝子組換えのインディケーターマウスの作成を目的として、rox-neoR-BGHpA-roxあるいはFRT-neoR-BGHpA-FRTの下流にレポーター遺伝子を配置したコンストラクトを導入したES細胞株を得た。当該細胞株と、DreおよびFLPの発現ベクターを用いて、配列特異的組換えおよびレポーター遺伝子の発現誘導が可能であることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新規の外来遺伝子導入のための遺伝子座の同定および利用、各種配列特異的遺伝子組換え酵素のES細胞での機能の検定が進行したことについては、順調に進展したといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画の変更や研究遂行上の問題に直面している状況にはないが、リソースとしての有用性はマウス個体での結果にかかっているので、マウス作出とその解析を速やかに進める必要がある。
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Research Products
(2 results)