2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22500388
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
田口 修 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 研究員 (00142167)
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Keywords | 骨髄細胞 / マウス / GFP / 移植 / scid / x線照射 / FACS / CD45 |
Research Abstract |
致死量のx線を照射したC57BL/6マウスに、同系GFPマウスの骨髄細胞を2x10^6個静注し(BMTマウス)、経時的に屠殺してGFP陽性細胞の動態を蛍光顕微鏡、FACS、免疫組織化学で観察した。その結果骨髄細胞注射後24時間後からほぼ全ての臓器でGFP陽性細胞の浸潤が観察出来た。GFP陽性細胞は上皮細胞を形成することはなく、ほとんどが間質細胞になっていた。脳においては多数のグリアがGFP陽性であったが、少数ではあるが神経細胞もGFP陽性の細胞が確認できた。 BMTマウスにおいて個々の臓器に浸潤し、それぞれの臓器の構成細胞に変化した細胞が、どれだけその場に留まるかを見るために、BMTマウスに再度致死量のx線を照射し、今度は野生型の骨髄細胞を注射してGFP陽性細胞の動きを検討した(2ndBMTマウス)。その結果野生型の骨髄細胞を注射して3ヶ月後でも多数のCD45陰性GFP陽性細胞が個々の臓器で観察できた。 無処置の野生型マウスにGFP陽性の骨髄細胞を注射してもそのレシピエントの骨髄にドナーの細胞は入ることができない。ところがscidマウスに骨髄細胞を注射すると、リンパ球の元の細胞が欠損しているので、その骨髄内にドナー細胞が入ることが出来る(scidBMT)。scidBMTマウスの検索でも、BMTマウスと同様に沢山の臓器でドナー細胞による臓器の再生が観察出来た。 GFPマウスと野生型マウスを併体結合させると血液が相互に流れるようになる。この状態の時に野生型マウスの臓器にGFP陽性細胞が出現するかを検討した。その結果はBMTマウスと同様に多くの臓器でCD45陰性GFP陽性細胞が確認できた。このことは通常の状態で骨髄細胞が末梢に出てきて臓器細胞に置き換わり、臓器の恒常性が保たれていることを示唆している。
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