2012 Fiscal Year Annual Research Report
Ali18変異による炎症発生機構の分子、細胞、個体レベルでの解析
Project/Area Number |
22500392
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
阿部 幸一郎 東海大学, 医学部, 講師 (90294123)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 実験動物学 / 病態モデル / 自己炎症性症候群 / 関節炎 / シグナル伝達 / リン酸化 / マウス遺伝学 |
Research Abstract |
化学変異原ENUで誘発された優性変異系統であるAli18マウスは、離乳後に関節を含む四肢末端部に炎症性の発赤と腫脹が発症することから自己炎症性症候群モデルと考えられている。Ali18のポジショナルクローニングによって、リン酸化酵素をコードする遺伝子の触媒部位付近にミスセンス変異が検出された。本研究では、Ali18変異の炎症発症機構を分子レベル、細胞レベル、個体レベルで総合的に理解して治療薬開発などの応用へと結び付けることを目的とした。昨年度までの研究で、分子レベルの解析では原因遺伝子産物をGSTタグで標識して大腸菌で発現させ、タンパク精製を行った。しかしながら、対照として用いた同じファミリーに属する別のリン酸化酵素では活性測定に成功したものの、目的のリン酸化酵素は大腸菌ではタンパクが分解してしまうことがわかった。このことから、大腸菌における強制発現システムでの目的タンパクの精製は不可能であることが明らかになった。そこで、FLAGタグ標識したタンパクを培養細胞で発現させて精製することに変更して実験を行っている。また細胞レベルでは、Ali18変異とマスト細胞を欠損するW/Wv変異の二重変異マウス関節炎が全く発症しないことが示されたものの、変異マウス骨髄よりマスト細胞を培養して解析した結果、マスト細胞の活性化や顆粒放出などに異常は認められなかった。このことから、現在、培養マスト細胞に変異タンパクを強制発現させるコンストラクトを導入し、そのマスト細胞活性化能をアッセイする実験を行うとともに、この導入細胞をW/Wvマウスに移植して炎症症状の発症を確認している。さらに個体レベルの解析では、原因遺伝子の組織特異的エンハンサーが明らかとなったので、このエンハンサーを利用して原因遺伝子を発現するトランスジェニックマウスを作製するためのコンストラクションを行っている。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)