2012 Fiscal Year Annual Research Report
老化促進モデルマウスを用いた加齢による表現型多様性とその原因遺伝子の解析
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22500396
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
高橋 英機 独立行政法人理化学研究所, 動物資源開発支援ユニット, 支援ユニットリーダー (40446521)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 老化 / マウス / 行動解析 / 運動量 / 記憶能力 / アルコール嗜好性 / QTL解析 |
Research Abstract |
疾患と遺伝子マーカーとの相関関係を指標に原因遺伝子の存在領域を絞り込む連鎖解析法は多因子疾患の解析に有効であるが、ヒトは寿命が長く遺伝的背景が複雑で交配実験が不可能なため限界がある。一方マウスは寿命が2年と短く自由な交配ができるためモデル動物として広く利用されている。 老化促進モデルマウスは加齢依存的な老化を指標に確立された系統であり、促進老化を示すP系統と正常老化を示すR系統に大別される。これまでにP6系統とP8系統との比較で、2ヵ月齢の運動量はP8系統が高く、記憶には差がなく、アルコール嗜好性はP6系統が高いこと、6ヵ月齢では、運動量はP6系統が高いこと、記憶はP6系統が優れていること、アルコール嗜好性はP6系統が高いことをそれぞれ明らかにした。次にP6系統とP8系統の雑種第一代、バッククロス第一代、雑種第二世代のマウスを作成した。そして2ヵ月齢および6ヵ月齢での運動量、記憶、アルコール嗜好性を測定してQTL解析したところ、これらの表現型は多因子疾患であり、その原因を示唆する複数の領域が得られた。得られた領域のうち加齢依存的な表現型の変化に関与する領域を検討したところ関連領域が各々の表現型で得られ、現在データベースを活用して原因遺伝子の特定を進めている。 ヒトでは成熟期以後になると様々な変化が起こる老化現象が現れ、例えば、程度の差はあれ誰にでも運動量の減少や記憶力の低下が認められる。本研究では老化促進の遺伝的背景を持ったマウスを用いることにより、運動量や記憶などの高次機能に加齢が関与してくる遺伝子(群)の抽出があと一歩のところまで到達している。これらに関わる分子が何であるかを明らかにすることは予防法や治療法の開発にとっても極めて重要であり、これらの開発に必須なモデル動物の提供が期待できると期待している。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(8 results)
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[Journal Article] New ataxic tottering-6j mouse allele containing a Cacna1a gene mutation.2012
Author(s)
Li W, Zhou Y, Tian X, Kim TY, Ito N, Watanabe K, Tsuji A, Aoyama Y, Niimi K, Arai T, Takahashi E.
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Journal Title
PLoS ONE
Volume: 7
Pages: e44230
DOI
Peer Reviewed
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