2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22500401
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
佐藤 学 山形大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (50226007)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西舘 泉 東京農工大学, 共生科学技術研究科, 准教授 (70375319)
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Keywords | 脳 / 組織活性 / OCT / 拡散光反射 / 分光計測 |
Research Abstract |
今年度は,初年度であり,ラット脳組織でのOCT信号と組織活性因子との関係について以下の測定を行った。組織活性とは,組織内のATP濃度と考えられ,組織温度は、全代謝においてATP生成の反応速度を律するので、まず、OCT信号増大と組織温度との関係を検討した。 測定1:脳組織温度を維持し、OGD(糖酸素欠乏)によるOCT信号変化を測定した。頭蓋骨を研磨した麻酔下のラットの胸部2箇所に心電測定用の電極を埋めこみ、胴体部と頭部を熱伝導体で覆い、胴体部を加熱用のヒーターで包む。ラット頭頂部のOCT測定部位の近傍である側部組織に温度モニター用の熱電対を深さ4mm程度埋めこむ。測定では過剰麻酔後、心拍が不規則になり組織温度が低下し始まるので、組織温度が低下しないように胴体部のヒーターへの電力を調整し、OCT測定を行う。前述と同様に、脳組織の三次元断層画像を領域4x4x2.9(深さ)mm^3に対して、初回から3回目までは10分間隔で同じ測定を行い、その後、OGDのための過剰麻酔を行って、組織温度を維持しつつ計22回の測定を行う。結果として,安楽死後,頭部の温度を一定に保ってもOCT信号の増大が再現性よく測定された。これより,脳組織内部の局所的な梗塞部で温度が一様でも,OCT信号の増大があることが示唆された。 測定2:麻酔下で周期的な組織温度変化時のOCT信号と心電信号の変化を測定した。組織温度を麻酔下の初期組織温度と心停止に至る温度より僅かに高めの温度間で周期的に制御したときのOCT信号の変化を心電信号と共に測定した。これより、組織温度とOCT信号変化との相関関係が示され,脳組織の部位により,相関係数が異なることがわかった。
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