2012 Fiscal Year Annual Research Report
酸素運搬できないヘモグロビン濃度の光を用いた無侵襲高精度計測
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22500405
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
庭山 雅嗣 静岡大学, 工学部, 准教授 (40334958)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 生体計測 / 近赤外分光法 |
Research Abstract |
生体組織中の酸素運搬できないヘモグロビン濃度を光で無侵襲的に測定できるシステムの開発を目指して、本年度はファントム実験とヒト実測を行った。平成22年~23年にかけて試作した吸光物質濃度計測装置は、可視から近赤外の8波長で送受光器間距離10㎜~20㎜における測定ができるようにゲイン等が調整してあり、各波長での空間的な光強度の傾きを取得できる。その空間的傾きに対して光輸送理論から導出された式を適用することで光吸収係数が算出される。光量のSN比とHb吸光スペクトル形状の差異に着目して8波長のデータから最適な3つの光吸収係数を選択し、連立方程式を解くことで酸素化ヘモグロビン濃度[O2Hb]及び脱酸素化ヘモグロビン濃度[HHb]、一酸化炭素ヘモグロビン濃度[COHb]の絶対量を算出した。生体の不均質性や波長による散乱係数の違いを考慮した種々の演算アルゴリズムを考案し、羊血液を混合した生体模擬試料を用いた実験で妥当性を検証した。ヒト実測は、COHb濃度が異なると考えられる7名の喫煙者を対象に実施し、光計測と血液ガス分析装置の測定値を比較した。その結果、[COHb]の相対的変化に関しては、血液ガス分析と同様の傾向を得ることができた。また、[COHb]絶対量についても、個人間でのばらつきは有するものの、[COHb]が0から2%という極めて低濃度の条件においてガス分析装置との相関が示された。これらの測定システムに関して国際会議で発表し、信号処理アルゴリズムに関連する内容で海外査読付き論文誌Review of Scientific Instrumentsに投稿し、掲載された。COHb濃度の絶対量を光で定量化可能な手法を開発でき、健康・医用モニタリングへの応用が期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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