2010 Fiscal Year Annual Research Report
生体イメージングのためのマルチモーダル量子ドット造影剤の開発
Project/Area Number |
22500407
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
神 隆 大阪大学, 免疫学フロンティウ研究センター, 特任教授 (80206367)
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Keywords | 生体イメージング / マルチモーダル / 量子ドット / 造影剤 / 近赤外 / 蛍光 |
Research Abstract |
本研究課題における研究目的は、近赤外発光半導体量子ドットを基盤として、生体のマルチモーダルイメージングが可能な造影剤を開発することである。平成22年度は、水溶液中で量子収率50%以上の高輝度発光近赤外量子ロッドの合成法の開発をおこなった。これまで、近赤外領域の半導体量子ドットとしてCdSeTe/CdS(コアー/シェル)の合成をおこなってきたが、その発光の量子収率は20-40%であった。発光の量子収率を改善し50%以上の高輝度発光を達成するため、CdS半導体によるシェル構造に改良を加えCdSeTe/CdS量子ロッドを開発した。透過型電子顕微鏡で観測した量子ロッドの形状は、径が約5nmで長さが10-20nmの棒状であった。量子ロッド表面は、生体分子であるグルタチオンに被覆されており生体親和性が高く、細胞の蛍光イメージングに使用する10nM程度の量子ロッド濃度では細胞のバイアビリティーにほとんど影響しなかった。また量子ロッド表面に存在するグルタチオンはアミノ基およびカルボキシル基を有するため、クロスカップリング反応によって抗体やペプチド、蛋白質など各種の生体分子、リガンドを結合させることができた。量子ロッドは、コア部分のCdS半導体表面の格子欠陥が少なく、量子ドットに比べて蛍光輝度が著しく高く(50%以上)なった。本年度は、グルタチオン被覆CdSeTe/CdS量子ロッドの開発によって、近赤外波長700-900nmにおいて50%以上の発光量子収率を達成することができた。
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Research Products
(8 results)