2011 Fiscal Year Annual Research Report
MRIガイド下集束超音波治療のための血管樹状構造に基づく肝臓三次元動態追尾法
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22500408
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
熊本 悦子 神戸大学, 情報基盤センター, 准教授 (00221383)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒田 輝 東海大学, 情報理工学部, 教授 (70205243)
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Keywords | 集束超音波治療 / 磁気共鳴診断装置 / 肝臓 / 動態追尾 |
Research Abstract |
本研究はこれまで比較的動きの少ない臓器に適用されてきた磁気共鳴画像化法(Magaetic Resonance Imaging,MRI)を組み合わせた集束超音波治療(Focused Ultrasound Surgery,FUS)の適用範囲を広げ,より有用な治療法としていくため,臓器の三次元的な呼吸性移動・変形に追従して集束超音波の照射位置を追尾,さらには照射位置の予測による集束超音波の照射制御手法の確立を目指すものである.今年度は特に以下の点について,検討を行った. ●肝臓の三次元的呼吸性移動・変形の解明 昨年度に引き続き,血管の樹状構造のうち特に分岐点に注目し,肝臓の三次元的な移動変形について解析を行った.これまで,解析は,分岐点とそこから伸長する分岐血管を用いてもちいていた.これに対し,今年度は3.0テスラの磁場強度を持つ超高磁場MR装置を用いて撮像を行い,より詳細に描出された画像をもちいて,3点以上の分岐点を抽出し,より詳細な解析を行った。その結果,照射位置追尾においては,肝臓の三次元的な移動だけでなく,局所的な肝臓の変形を十分考慮する必要があるとの知見を得た. ●肝臓三次元動態追尾のための撮像方法の検討 集束超音波治療の実施中には,照射位置の追尾に必要な撮像時間は限られるため,できるだけ少ない撮像枚数で,照射位置の追尾を行う必要がある.そこで,撮像スライス厚を30mm~50mmの厚スラブとし5度~10度程度の角度を持つ2枚の画像をステレオ撮像することにより,追尾対象分岐血管の三次元位置を推定する方法を検討した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
肝臓の三次元的呼吸性移動・変形の解析およびそれに基づいた動態追尾法については,おおむね順調に推移しているが,ステレオ撮像による動態解析および動態追尾手法の確立を新たに行っているため,本研究の目的である集束超音波治療装置の照射制御手法に関しての取り組みの開始が少し遅れている.
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに得られた成果に基づき,ステレオ撮像法に基づく肝臓の移動変形解析をおこない,さらに動態追尾手法の提案と検証を行ったのち,研究目的である集束超音波治療の照射制御手法の確立をめざす。
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