2010 Fiscal Year Annual Research Report
ダブルDDS製剤処方による新規C型肝炎治療法の確立
Project/Area Number |
22500410
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
石原 務 日本大学, 工学部, 准教授 (70349554)
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Keywords | DDS / ナノ粒子 / C型肝炎 / リバビリン / ポリ乳酸 |
Research Abstract |
C型肝炎治療を目標として、抗ウイルス剤であるリバビリンを封入したポリ乳酸ナノ粒子の調製法の確立をおこなった。ナノ粒子はこれまでに構築してきた金属イオンを用いたO/W型溶媒拡散法により調製した。その際、有機溶媒/金属イオンの種類/量など調製条件を様々に変えることで、リバビリンの粒子内への封入効率及び粒子径に及ぼす影響を評価した。その結果、リン酸基を導入したリバビリン-リン酸及び鉄イオンをpH調整しながら同時に適量添加することで、リバビリンを多く含みかつ分散安定性が高いナノ粒子がえられることが明らかになった。また、肝実質細胞へ特異的かつ大量にリバビリンを集積させるため、肝実質細胞特異的なリガンド分子であるアラビノガラクタンの粒子表面への修飾を試みた。ポリアミノ酸であるポリリジンとアラビノガラクタンを用い還元アミノ化反応によりポリリジン-アラビノガラクタンコンジュゲートをえた。このコンジュゲートを混合しナノ粒子を同様に調製した。ナノ粒子の表面電位測定およびレクチンによる凝集観察の結果、アラビノガラクタンがナノ粒子の表面に局在していることが明らかになった。したがって、このナノ粒子は、表面のアラビノガラクタンによりウイルスの感染細胞である肝実質細胞にリバビリンを運搬でき、かつポリ乳酸内にリバビリンを封じ込めることで長期間にわたりその薬理効果が持続できることが示唆され、新規のC型肝炎治療薬としての利用が期待できる。
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Research Products
(7 results)