2011 Fiscal Year Annual Research Report
電磁ホーン型ESRイメージング装置による脳虚血モデルでの酸化ストレスの画像化
Project/Area Number |
22500412
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
上田 徹 大分大学, 医学部, 講師 (90315333)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 正 大分大学, 工学部, 名誉教授 (30100936)
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Keywords | 電磁ホーン型ESR装置 / 3次元局所ESR信号検出方式ESRイメージング装置 / マウス脳腫瘍モデル / スピンラベル剤 |
Outline of Annual Research Achievements |
生体内フリーラジカルの分布を画像化することは、酸化ストレス由来の疾患診断や創薬における酸化能評価に有用である。電磁ホーンを用いたESRでは、従来の共振器型と比較し、大きな空間が利用でき、より多くの不対電子数の計測が可能で、高感度測定化が実現される。本研究では、電磁ホーン型ESR装置の感度向上のため、3次元局所ESR信号検出方式ESRイメージング装置の試料台を新たに作製した。この試料台は、回転式の生体試料上下移動装置に、任意幅に可変可能なスリットがついたマイクロ波照射口が取り付けられたもので、マイクロ波ビームを試料の微細部位に3次元的に照射出来る。動物モデルは、装置の大きさからマウスに限られ、さらにより局所的に強いラジカルが発生するものが好ましいため、当初予定していた脳虚血モデルから悪性脳腫瘍モデルに変更した。マウス脳腫瘍モデルのESR計測を行う前に、invitroの研究として(他研究費で施行)、腫瘍増殖時細胞膜形成に必要な代謝物質(スピンラベル剤)にラジカル分子を付加し、悪性腫瘍細胞に取り込ませ、X-bandの共振器でESR計測に成功している。現在、マウス脳内に植え込まれた悪性脳腫瘍にスピンラベル剤を取り込ませ、ループギャップ共振器によりESR計測を行っているところである。今後、上記試料台を使って電磁ホーン型ESR装置によるイメージングを行うことにしている。さらに、脳虚血モデルにも同様の手法を試みる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
生体のESRイメージングには、L-bandマイクロ波を用いたESR装置が望ましいことがわかり、当初の計画を変更し、L-band電磁ホーン型ESR装置を作製した。しかし、現時点では、同装置は感度不足でESR測定困難なため、3次元局所ESR信号検出方式の試料台(測定補助器)を新たに作った。以上の準備のため時間を費やした。
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Strategy for Future Research Activity |
L-band電磁ホーン型ESR装置を作製した後、電磁ホーンとの比較のため、従来のL-bandループギャップ型ESR装置を自作し、生体試料のESR計測を行ってきた。動物モデルは、試料空間や感度などの問題から、当初予定したラット虚血モデルからマウス痙攣重積や脳腫瘍モデルに変更し、ESRの計測に成功した。今後、3次元局所ESR信号検出方式の試料台を使って、L-bandのみならず、その他のマイクロ波(X, K, Q band)による電磁ホーン型ESR装置で、前述したモデルの画像化を目指す(試料台の完成により、生体試料でも高周波のマイクロ波も試用可能となった)。大型コイルを購入する予算が他の助成金よりつけば、ESR装置を大型化し、ラット虚血モデルの画像化も行う。
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