2010 Fiscal Year Annual Research Report
生体-電子機械融合化革新的人工臓器に向けた生体組織と電子回路融合技術に関する研究
Project/Area Number |
22500413
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
岡本 英治 東海大学, 生物理工学部, 教授 (30240633)
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Keywords | 人工心臓 / ペースメーカ / 人体通信 / 生体組織 / 電気的特性 / 経皮情報伝送 / 体内-体外間通信 |
Research Abstract |
人工心臓やペースメーカを代表とする体内埋込み人工臓器の安全管理用の体外-体内間通信において,現在に臨床で使用されている電磁誘導方式や微弱無線方式の課題であるセキュリティの確保下で安定な通信と外来診療の簡便性の両立を目指し,生体組織を通信媒体として利用する人体通信を利用した次世代式経皮情報通信システムの開発を試みた.生体の感電を防止するため搬送波には4MHzと10MHzを用い通信方式に回路系がシンプルなASK変調とした双方向全二重通信システムの開発を試みた. 電子回路-生体組織間インターフェイス部は,体内-体外間での双方向通信と低周波数電流による感電の防止を目的に,生体組織の電気的特性を加味した共振回路系の構築が不可欠である.そこで,システム開発の最初に,通信データ送信部と受信部における生体組織インターフェイスに関する研究を行った.その結果,送信部-生体組織インターフェイスでは,L-C並列共振回路は生体組織導電性により共振の強さQが極めて小さくなり共振しないこと,一方,コンデンサ2個の直列接続にコイルを並列接続するL-C直並列回路のコンデンサ中点を生体に接続することで生体組織接続下に共振できることを確認した.受信部-生体組織インターフェイスではL-C並列共振回路により必要十分な同調受信が可能であるが,生体組織の誘電率の影響を受けるためコイルのインダクタンスとコンデンサの静電容量より計算で得られる共振周波数に生体組織誘電率を加味する必要があることを明らかにした. 人体通信を利用した経皮情報通信システムのプロトモデルは,体内側ユニット,体外側ユニットともに直径62mm×厚み22mmの大きさで,ASK変調部,L-C直並列共振送信部,L-C並列共振受信部から構成し,電極には銀-塩化銀電極を用いた.ヒト体表間および生理食塩水中で通信実験を行ったところ,ヒト体表間の至る所,生理食塩水中通信距離1mにて通信速度115kbpsでの安定な全二重通信を行うことができた.
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Research Products
(15 results)