2010 Fiscal Year Annual Research Report
ボツリヌス毒素の腸管吸収機構を利用した新規薬物送達システムの開発
Project/Area Number |
22500427
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
山本 由弥子 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (20403496)
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Keywords | 細菌 / 薬物送達システム / 腸管 |
Research Abstract |
1.ボツリヌス菌62AΔNTNH変異株からのHA(赤血球凝集素)複合体の精製 ボツリヌス菌から純度の高いHA複合体を大量かつ安全に得るため、ボツリヌス神経毒素とNTNH(赤血球凝集活性を示さない無毒成分)の遺伝子発現が抑制されたA型ボツリヌス菌62AΔNTNH変異株からHA複合体を精製する方法を確立した。 2.組換えHAサブコンポーネントタンパク質の作製 HAは、HA1,HA2,HA3a,HA3bの4つのサブコンポーネントより構成される。このうちHA1とHA3bが小腸上皮細胞上の糖への結合に重要な役割を果たしている。そこで、pGEX-6P-3発現ベクターを用いて、HA1及びHA3b組換えタンパク質を発現するためのコンストラクトを作製し、大腸菌内でGST融合HA1及びGST融合HA3bタンパク質を大量発現させた。グルタチオンカラムクロマトグラフィーで精製した後、GSTタグを除去して、組換えHA1及びHA3bタンパク質を得た。 3.HA結合薬物内包リポソームの作製 HAのドラッグデリバリー能を評価するために、上記のようにして得たHA複合体、HA1、あるいはHA3bタンパク質を指向性リガンドとして表面に結合させた薬物内包リポソームを作製した。また、ネガティブコントロールとしてHAを結合していない薬物内包リポソームも作製した。
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