2011 Fiscal Year Annual Research Report
再生医療のための分泌物を指標とした細胞検出法の開発
Project/Area Number |
22500428
|
Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
田辺 利住 大阪市立大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20315972)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
立花 亮 大阪市立大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (80305614)
|
Keywords | 融合タンパク / ZZ domain / ABD domain / アルブミン / 抗体 / 細胞 / サイトカイン |
Research Abstract |
平成23年度は、アルブミンフィルムに抗体を結合させるためのアダプター分子として、Staphy lococcus,A protein由来のZZ domainとStreptococcus,G protein由来のABD domainの融合タンパクを遺伝子工学的に作製することを試みた。ZZ domainはIgGのFc domainに対する結合能を、ABD domainはヒトアルブミンに対する結合能を有している。これらの融合タンパク質を介すれば、アルブミンフィルム上にIgG分子の抗原結合部位をフィルムと反対側に配向させて結合させることができる。 実際には、GSTとZZ-ABDおよびGST-GFPとZZ-ABDの融合タンパクを大腸菌で発現させた後、抽出したタンパク質をグルタチオンカラムで精製した。得られたタンパク質はSDS-PAGE上で所定の分子量を示した。また、PreScission ProteaseでGSTタグを切断した場合にも、ZZ-ABD、GFP-ZZ-ABDそれぞれに予想される分子量のバンドが得られた。さらに、融合タンパクとヒトアルブミン、IgGをインキュベートした後、グルタチオンカラムにアプライしたところ、ヒトアルブミン、IgGは融合タンパクと共に溶出され、大腸菌で発現した融合タンパク質がアルブミン、IgGの両方に結合能を有していることを確認した。 平成24年度は、融合タンパクを用いてIgGをアルブミンフィルム上に結合させる。これを用いて数種類の細胞が産生するサイトカインをオンサイトで検出できることを確認し、当該の目的を達成する予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
融合タンパク発現ベクターの作製に予想より時間を要したため、23年度はタンパクの発現とその機能を確認するに留まり、融合タンパク質のアルブミンフィルムへの固定化、並びに細胞の産生するサイトカインの検出まで達成できなかった。
|
Strategy for Future Research Activity |
アルブミンとIgGをつなぐアダプター融合タンパクは生産できたので、24年度は実際にアルブミンフィルム上へのIgGの固定化法を確立し、これを用いて細胞が産生するサイトカインをオンサイトで検出する至適条件を確立する。本法をES細胞にまで適用していく。
|