2012 Fiscal Year Annual Research Report
血中滞留性を向上した網膜標的光応答型siRNA送達システムの構築
Project/Area Number |
22500429
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
高島 由季 東京薬科大学, 薬学部, 准教授 (70236214)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 核酸デリバリー / リポソーム / 網膜色素上皮細胞 |
Research Abstract |
本年度は、網膜指向性核酸内封リポソームの調製ならびに投与経路によるラットでの体内分布について検討した。網膜色素上皮細胞に発現するトランスフェリン(Trf)受容体に指向性を示すTrf修飾核酸内封リポソームに蛍光標識し、ラットまたはマウスに点眼、硝子体内注射、尾静脈内投与を行い、一定時間後の眼組織切片、尾静脈投与においては各臓器を摘出し、蛍光量測定および蛍光イメージングシステムIVISにて体内挙動を観察した。その結果、尾静脈投与では、全身に分布するものの肝臓にトラップされる傾向がみられ眼内への移行量は少なく、点眼による前眼部への投与では確実に後眼部の網膜近傍に核酸内封リポソームが送達できることを示した。また、硝子体内投与は侵襲的投与であるにも関わらず点眼に比べ網膜への送達性は低いことを確認した。さらに、点眼投与においては、Trf修飾リポソームは血管が豊富に存在する脈絡膜中にも安定に存在し、網膜近傍に局在するのに対し、Trf未修飾のリポソームは前眼部の角膜に多く局在したのち涙液等によって速やかに排泄されることが観察され、Trf修飾リポソームは主に結膜および強膜を介して脈絡膜に入ったのち網膜近傍に送達されることが推察された。また、光応答性を付与するためのリポソーム処方検討も行った。本研究は、金ナノ粒子を含有させることで光照射による発熱が生じ、これによりリポソーム膜が不安定となり核酸を放出させるストラテジーであるため、前年度と同様に先ず温度感受性の高い組成について検討した。体温付近の相転移温度を示すDPPCとリゾ脂質(MSPC)をベースとし、膜安定性を確保するためコレステロール等も処方した核酸内封リポソームを調製し、物性および加温による内容物の放出性等を評価し、体温以上の45℃で核酸放出を示す温度感受性核酸内封リポソームが得られ、金ナノ粒子含有による光応答性の可能性を示唆した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)