2012 Fiscal Year Annual Research Report
シグナル因子の固定化配置を応用する幹細胞培養系の開発
Project/Area Number |
22500431
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
北嶋 隆 独立行政法人理化学研究所, 伊藤ナノ医工学研究室, 協力研究員 (40399556)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 増殖因子 / 幹細胞 / 培養法 / 培養基材 / 細胞分化 / 蛋白質固定化 |
Research Abstract |
本研究の目的は、マトリックス物質や、増殖因子、サイトカインなどのシグナル因子を培養基材等に固定化することが、幹細胞の培養に有効な手法であるかを明らかにすることである。このため、種々の因子類を、アジドフェニル基を導入したゼラチンと混合し、基材上にスポットして乾燥後、UV照射する時間を調節し、同一容器内にアレー状に固定化した。このような培養器に、ES細胞、iPS細胞を培養し以下のような結果が得られた。 1)未分化維持に有効な因子類の固定化。LIF及びMCP1(CCl2、ケモカイン)をそれぞれ単独よりも、あわせて固定化することが、ES細胞の未分化維持に有効であった。 2)Activin固定化の効果。 BMP4,FGF2,PDGF,EGF,VEGF,HGFなどとあわせて固定化した領域において、ES細胞の分化状態をFoxA2(内胚葉系)およびSMA(中胚葉系)で検討した。培養後3から12日の間でみたところ、FGF2はactivinの効果を抑制したが、それ以外の因子との共存ではactivinの内胚葉系への分化促進効果が認められた。また、Activin固定化領域外に移動した細胞は中胚葉系の分化傾向を示し、activinの影響を受ける時間が内胚葉分化に影響している可能性を示唆した。 3)Actvinなしの条件。多数の因子類(17種類)を固定化して効果を検証し、VEGFが血管内皮細胞への分化を促進していることを、CD31を指標として確認した。 「まとめ」本研究により、種々の因子類の組み合わせ方によって、未分化維持あるいは、内胚葉・中胚葉系それぞれへの分化を制御できる可能性が見いだされ、培養基材開発の手がかりを得た。「今後」実用的な培養法とするためには、固定化領域で細胞が同調して分化する条件や、異なる細胞の相互作用を誘発させるための因子配置形状、培地組成の影響などが検討課題である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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