2011 Fiscal Year Annual Research Report
検査・処方データを利用した多数薬剤配合による副作用の自動抽出
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22500432
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
高林 克日己 千葉大学, 医学部附属病院, 教授 (90188079)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 隆弘 千葉大学, 医学部附属病院, 准教授 (40323422)
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Keywords | 薬剤反応性 / 生体生命情報学 / 人工知能 / 副作用 / 肝障害 / データマイニング |
Research Abstract |
今年度はテキストマイニングを行う際の退院時サマリーの内容がどれだけ的確に書かれているかについて検討した結果、かなりの成分が欠落していることが示され、サマリ-をはじめとする電子カルテの記載内容の信頼性について検証するとともにその教育の必要性が問われる結果となった。 千葉大学医学部附属病院に1991年1月から2010年9月までの間に入院歴のある、219,663症例を調査対象として利用した。また各症例の調査項目は、退院時サマリー、入院期間内の血算、生化学検査の結果と処方履歴である。これらの症例の中で、血小板減少、糖尿病という言葉が含まれている退院時サマリーの症例の検査値を検討した。また主傷病名に8種の癌がついているサマリーについて、その中に癌あるいは類義語が含まれているサマリー数を検討した。(結果)PLTが1万以下となった症例数において、退院時要約にその記載が見られた症例は約17.5%、3万以下では15.6%、そして10万以下と最も緩い条件を設けた例では、わずか7.97%しか退院時要約に記載されていなかった。HbA1c>6.0%以上で糖尿病の記載があったものは57.5%、HbA1c>7.0%以上では64.8%であった。逆に糖尿病の記載があってHbA1c>6.0%以上のものは31.3%、HbA1c>7.0のものは17.4%であった。癌の中でも種類によって大きく差が見られた。さらに年度によっても差が大きかった。肺癌は常に90%を越え、特に最近は100%に近い数値であるのに対して、乳癌子宮癌は50-60%台にすぎない。このような低い症例の退院時要約を見ると内容が少なく、また略語が多発している要約が多いことが認められた。これらのことから、退院時サマリーを使ってさまざまな検索、マイニングをするためには、サマリーの質の向上が不可欠であることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
処方の組み合わせを候補となる薬剤で行ったために、実際には無関係の薬剤が多数候補にあがったり、因果律が逆の治療に使われる薬剤が候補になってしまう例がみられ、これらを排除する方法に取り組んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
特にテキストマイニングを行うためにおける入院時サマリー(退院サマリー)の内容について、その質に関する研究が新たな課題となったが、これは重要事項として薬剤副作用の関係から進めたい。.
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Research Products
(1 results)