2010 Fiscal Year Annual Research Report
画像解析による眼振運動の高精度計測とめまいの原因推定への応用
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22500442
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
田中 敏幸 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (20217053)
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Keywords | めまい診断 / 眼振 / 眼球運動検出 / 瞳孔検出 / 位相限定相関法 |
Research Abstract |
平成22年度の研究計画では、(1)ゴーグルカメラの作成、(2)まばたき時の瞳位置の検出、(3)瞳を中心とした眼球の回旋運動の解析が予定されていた。それぞれの内容について、今年度の研究成果について報告する。 (1)ノンインターレースのゴーグルカメラの作成 申請時点では、キーエンス製の高速撮影用CCDカメラを用いたゴーグルカメラの作成を考えていたが、最終的に決定した補助金額およびゴーグルカメラ作成費用などを考慮して、東芝テリー製のCCDカメラの使用に切り替えた。現在、ゴーグルカメラの作成は最終段階に入っている。カメラが完成していないため、まだノンインターレースの画像データ取得には至っていない。 (2)まばたき時の瞳位置の追跡 すでに入手しているインターレース方式の画像を用いたまばたき時の瞳位置の検出については、瞳位置の移動速度がそれほど高速ではないため、複数フレームを用いたノンインターレース化による解析が可能であった。まばたき特徴量を定義することにより、瞳の位置検出およびまばたき時を含めた瞳位置の追跡は、今後の解析のためにも十分な結果が得られた。 (3)瞳を中心とした回旋運動の抽出 瞳を中心とした眼球の回旋運動は非常に高速な運動であるため、インターレース方式の画像を用いた場合、従来使われているブロックマッチング法などではよい結果が得られなかった。多くの実験の結果、位相限定相関法を利用することによって、ある程度の精度で回旋運動が追跡できることがわかった。回旋運動による眼球の角度変化を時系列的に表すことにより、医師がビデオ撮影結果から目視する眼球運動の特徴が定性的に確認できた。
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