2010 Fiscal Year Annual Research Report
脳腫瘍に対する超音波医療のための核酸デリバリーシステムの開発
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22500443
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
馬目 佳信 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (30219539)
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Keywords | 超音波医療 / 脳神経疾患 / 核酸 |
Research Abstract |
研究代表者らが開発した脳腫瘍に対するセラグノーシスシステムは、頭蓋外から2種類の超音波を用いて治療と診断を同時に行うシステムであり、3次元脳腫瘍モデル、音響化学活性物質、脳腫瘍イメージング用超音波プローブ、脳腫瘍音響化学治療用超音波照射装置の4つから構成されている。本研究ではシステムの治療効果を更に高めるため、新たに、超音波による核酸デリバリーシステムを付加し、安全性が要求される脳の病変に対して核酸医療の併用を可能にすることを目的としている。具体的には細胞機能やタンパク質の発現を制御するsiRNAを超音波を用いて独自条件で脳局所組織にデリバリーし、その後の超音波による治療効果を増強させるシステムを組み立てる。 本年度はイン・ビトロの実験系を用いて、1.超音波導入効率の測定、2.核酸のデザイン、3.細胞内の到達位置の確認の実験を行った。その結果、500kHz, 5.8W/cm2の超音波で腫瘍モデルに核酸が導入されること、到達した核酸は多くが細胞質内に留まることが明らかとなった。また対象とする核酸はGタンパクRhoのキナーゼが有力であることもあらためて示された。超音波によって核酸を細胞内のどこまで到達させることができるかがシステムを完成させるための大きな鍵となる。核内への到達を目指して更なる条件最適化と有害事象の有無の確認が必要だと思われた。
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