2011 Fiscal Year Annual Research Report
造影超音波による進行肝癌に対する分子標的薬の早期効果判定法の開発
Project/Area Number |
22500445
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
田中 弘教 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (00423286)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯島 尋子 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (80289066)
有井 滋樹 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (50151171)
飯室 勇二 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (30252018)
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Keywords | 造影超音波 / 分子標的治療 / 早期効果判定 / 時間輝度曲線 / ネクサバール |
Research Abstract |
進行肝癌に対して現時点では唯一、予後延長効果が証明されているソラフェニブをはじめとした分子標的治療薬は、身体的・経済的負担の観点よりも、早期の治療効果予測が望まれる。しかし腫瘍マーカーには有効例でPIVKA IIが上昇するなど乖離例が存在すること、CT等での画像による腫瘍縮小効果の判定では有効例であっても数カ月を要すことなど確立した方法はない。分子標的薬は血管新生に作用し、有効例は早期より腫瘍血管に微細な変化が現れることが予想される。そのため、低侵襲に繰り返し経過観察可能であり、時間および空間分解能にも優れた造影超音波による早期治療効果判定法を、臨床例および動物実験により検討を進めている。 動物実験では、肝細胞癌の細胞株をマウス皮下に作成し、分子標的薬投与群とコントロール群の肝臓について造影超音波による時間輝度解析を行い、治療群での血流低下を定量的に行うことが出来た。更にパラメトリックイメージによる評価も新たに行い、煩雑な定量的な解析を行わずとも、視覚的手法による簡便な手法について現在模索中である。 臨床研究では、分子標的薬投与前および2週間後の時間輝度曲線を解析することで、Rise time(最高輝度の5%から95%に到達する時間)が、再現性が最も良好であることを明らかとした。この指標は超音波の欠点の一つである客観性という面においても超音波ビーム条件による影響が最も少なく、modified RECISTによる効果判定とも良好に相関していることを示した。このRise timeの延長症例は、生命予後とも密接に関連していることも示した。 瞬
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
動物実験に関しては、微細血管構築による評価が特にラット肝の極小肝癌ではやや困難であることが判明したため、時間輝度解析およびパラメトリックイメージによる効果判定の可能性について更に検討を進めており、全体としてはおおむね予定通りである。しかし臨床研究では、既に臨床的な時間輝度解析上のパラメータを明らかとすることが出来たため、今後はそれらを更に症例を増やし確実なものにしてゆく必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
動物実験に関しては、今後は臨床研究で既に有用性が示されたRise timeについて更に確証を得るための実験を行う。更には有用性が期待できるパラメトリックイメージについては、適切な時間設定をどの様にするかを検討する必要があるため、実験を重ねてゆき、これらの最適な手法を明らかとしてゆく。 臨床実験に関しては、Rise Timeとその他の臨床パラメータ(腫瘍マーカー、肝予備能データ等)を組み合わせることで、効率的な手法についても検討をすすめる。更に症例を増やし、これらのデータの信頼性を向上させる。
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Research Products
(32 results)