2010 Fiscal Year Annual Research Report
三次元心エコー図僧帽弁複合体デジタルイメージングによる僧帽弁逆流のメカニズム解析
Project/Area Number |
22500447
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
林田 晃寛 川崎医科大学, 医学部, 講師 (90435032)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 清 川崎医科大学, 医学部, 教授 (60322583)
根石 陽二 川崎医科大学, 医学部, 講師 (80319946)
大倉 宏之 川崎医科大学, 医学部, 准教授 (30425136)
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Keywords | 心臓超音波 / 僧帽弁逆流 / 三次元心エコー図 |
Research Abstract |
平成22年度は、三次元解析ソフト(REALVIEW^[○!R])のバージョンアップを行った。その結果、左室乳頭筋と僧帽弁輪の形態がより詳細に観察できるようになった。今まで、左室の乳頭筋は、前後乳頭筋というように大まかに分類されているだけであった。今回の観察によって、同じ乳頭筋でも、前乳頭筋の腱索に連なる部位は単一であることがほとんどであるが、後乳頭筋の先端は2つに分かれている例が多いことが判明した。また、乳頭筋が3つに分かれていたり、根元が同一であるが先端のみ分かれているもの、根元から別々に乳頭筋が存在するなど、従来考えられていたよりもはるかに乳頭筋の形態は多彩であった。乳頭筋からではなく、左室から独立した腱索が存在することも確認できた。左室が拡大した機能性僧帽弁逆流では、この乳頭筋の多様性が大きく関与していると考えられた。 我々が一般日常診療で施行している、三次元僧帽弁心エコー図(Philips, SONOS7500^[○!R])によって、左室拡大した機能性僧帽弁逆流の症例で、乳頭筋の三次元パラメータをREALVIEW^[○!R]にて抽出した。そうすると、乳頭筋の中でも僧帽弁後尖の閉鎖に関与する乳頭筋(前後それぞれの乳頭筋の後壁側)がより、心尖部側かつ外側に偏位していることが判明した。この乳頭筋の偏位をより弁輪側、かつ内側に位置させることで、理論上僧帽弁逆流が最も制御されるため、今後臨床応用するための具体的な手術法法について検討を行う。
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