2011 Fiscal Year Annual Research Report
三次元心エコー図僧帽弁複合体デジタルイメージングによる僧帽弁逆流のメカニズム解析
Project/Area Number |
22500447
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
林田 晃寛 川崎医科大学, 医学部, 講師 (90435032)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 清 川崎医科大学, 医学部, 教授 (60322583)
根石 陽二 川崎医科大学, 医学部, 講師 (80319946)
大倉 宏之 川崎医科大学, 医学部, 准教授 (30425136)
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Keywords | 三次元心エコー図法 / 心臓超音波 / 僧帽弁逆流 / 経食道心エコー図法 |
Research Abstract |
左室拡大を伴った左心機能低下例において、僧帽弁逆流症のメカニズムを解明するために、僧帽弁、僧帽弁輪、左室乳頭筋などの僧帽弁複合体の位置関係を三次元経食道心エコー図法にて計測を行った。 その結果、中等度以上の僧帽弁逆流症を生じる群では、弁接合の長さそのものが小さくなっており、僧帽弁接合開始時と最大僧帽弁収縮時の僧帽弁面積比であるcoaptation index(CI)もより小さいことが分かった。左室の乳頭筋に関しては、前後からなるが、その頭の部分は必ずしも一つではなく、複数分かれている場合もあるという多様性が観察された。また、従来は左室からのtetheringが最も僧帽弁逆流を規定する重要な因子と考えられていたが、収縮期であるにも係わらず僧帽弁が左室側へ引っ張られることを示すtetheringの長さやtentingの大きさに差は無く、収縮期の僧帽弁輪拡大が有意な因子であった。 以上より、機能性とはいえ左室拡大に対する僧帽弁の適応状態が僧帽弁逆流を規定する因子の一つであると考えられた。この結果は、僧帽弁逆流の手術において、乳頭筋を僧帽弁側につり上げるなどの左室形成においては、僧帽弁輪を縫縮することも一定の役割を果たしうることを示している。同時に、僧帽弁逆流症の個々の患者(各々異なったメカニズムがある)に対して論拠ある僧帽弁形成術の術式を推奨でき、それを外科医に情報提供(例えば弁尖を縫縮/乳頭筋を寄せる/左室を切除し縮小する/人工腱索を設けるなどの細かいオプション)する事につながり、医療の質を高める事が期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究結果を、学会や論文で発表していること。また、三次元心エコー図法で測定した僧帽弁逆流や僧帽弁複合体を参考に外科手術に臨床応用されていること。
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Strategy for Future Research Activity |
研究結果を引き続き学会へ報告し、論文化する。具体的な方法について研究分担者と、週に1回カンファレンスを行い、進行状況、問題点の議論を行っていく。
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