2012 Fiscal Year Annual Research Report
独自のマイクロチップと増幅法を駆使したPOCTデバイスの開発
Project/Area Number |
22500448
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
細川 和生 独立行政法人理化学研究所, 前田バイオ工学研究室, 専任研究員 (00373366)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | マイクロチップ / イムノアッセイ / ポイント・オブ・ケア / 疾患マーカー / 臨床検査 / 抗体 |
Research Abstract |
本課題の目的は,二つの独自技術「自律駆動マイクロチップ」と「層流樹状増幅法(LFDA)」により簡便・迅速で高性能なイムノアッセイ検査を実現することであった.これまでに,前立腺がんのマーカーである前立腺特異抗原の高感度検出を実現し,さらに,3種類のがんマーカータンパク質の同時検出にも成功した.本年度は,新しいがんマーカーとして注目されているマイクロRNAの検出を試みた. マイクロRNAはイムノアッセイと同様の原理で検出することができる.すなわち,ターゲットRNAと相補的な配列を持ったプローブDNAを,抗体の代わりにターゲットと結合させれば良い.この実験ではヒトmiR-21(22塩基)をターゲットとして,そこに同時に結合できる2種類のプローブDNA(捕捉プローブと検出プローブ,各11塩基)を設計した.捕捉プローブをガラス基板に固定化し,そこにPDMS流路を接合することにより,マイクロチップを完成した.自律駆動法とLFDAを用い,イムノアッセイと同じ要領で(2次抗体の代わりに検出プローブを注入)検出を行った.サンプル体積は0.5 μLとした. 増幅反応開始から数分で,捕捉プローブを固定した位置において蛍光強度が指数関数的に増加した.この増加が始まる時間はマイクロRNA濃度に依存し,高濃度な場合ほど早期に信号増加が開始した.しかしその増加開始時間には若干のばらつきがあり,またブランク(濃度ゼロ)の場合にも信号増加が見られた.そこで常に参照溶液としてブランクを流し,サンプル溶液との比較によってセンサーの応答を定義することにした.その応答をサンプル濃度に対してプロットしたところ,検出限界値として0.5 pM が得られた.以上から,本研究の方法がマイクロRNAに対しても有効であることが分かった.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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