2012 Fiscal Year Annual Research Report
超音波血管機能検査装置の高度化と血流依存性血管拡張機序の解明
Project/Area Number |
22500449
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
新田 尚隆 独立行政法人産業技術総合研究所, ヒューマンライフテクノロジー研究部門, 主任研究員 (60392643)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 超音波医科学 / 血管機能 / 血流依存性血管拡張反応 |
Research Abstract |
血流依存性血管拡張(Flow-Mediated Dilation; FMD)は、血管壁上のずり応力を主たる刺激源として、血管内皮細胞より産生される一酸化窒素の血管壁内への拡散による平滑筋弛緩して血管径が拡張する反応である。FMD検査ではこの血管拡張率(%FMD)が計測されるが、刺激源であるずり応力及び他因子変動によるバラツキが大きく、内皮機能を的確に評価できない問題があった。本研究では、この問題を解決すべくFMD検査装置を高度化し、人間工学的評価に基づき前記刺激因子を特定して、血流依存性血管拡張反応における機序解明のための知見を得ることを目標とする。 平成24年度は、人間工学実験委員会の承認の下、前年度までに高度化したFMD測定装置を用い、健常者に対する被験者実験を実施した。計測対象である上腕でのプローブずれを低減するためにプローブ固定具を、常に同一血管部位での計測を行うためにH字型プローブを用い、被験者上腕動脈における血管径、血流速度、血流量、血液粘度、壁ずり速度、壁ずり応力等のトレンドデータを収集した。各トレンドデータの特徴量として、血管径からは%FMD値を、血流速度、血流量、血液粘度、壁ずり速度、壁ずり応力からは、それぞれ駆血解除後の最大値を安静時の平均値で除した増加率(Increasing Rate; IR)を求め、%FMD値と各IRとの相関を調査した。その結果、%FMD値と壁ずり応力のIR値(IR of Shear Stress; IRSS)が最も高い相関を示した。これは従来の生理学的な所見と一致し、血管拡張の刺激因子として壁ずり応力の寄与が最も高いことを示す結果と考えられた。さらに、%FMD値をIRSS値で正規化した指標値の分散は%FMD値の分散よりも小さくなり、刺激因子を含めた指標化によって、内皮機能や状態変化の識別能が向上し得ることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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