2011 Fiscal Year Annual Research Report
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22500450
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
飯島 節 筑波大学, 人間系, 教授 (80193126)
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Keywords | 高齢者 / 自動車運転 / 有効視野 |
Research Abstract |
今年度は、日常的に運転している健常高齢者の認知機能や運転能力を明らかにすること、ならびに既存の認知機能検査の結果および有効視野は独自に開発した有効視野測定ソフトウェア高齢者版(Visual Field with Inhibitory tasks Elderly Version : VFIT-EV)によって測定した有効視野と、実車による運転適性評価との関連を明らかにすることを目的として研究を行った。 対象は、月に1回以上運転している65歳以上の高齢者20名(男性16名、女性4名、平均年齢72.3土4。9歳)とした。既往に明らかな脳疾患、認知症、運転に支障となる眼科疾患を持つ者は除外した。予備検査として参加者全員に近見視力の確認および視野検査を実施し、基本的視機能に問題がないことを確認した。 インタビューガイドを用いて運転状況や事故経験、運転に対する自己認識などを確認した。有効視野測定にはVFIT-EVを用いた。認知機能検査はTrail Msking TestAおよびB(以下TMT-A、TMT-B)、ウェクスラー成人知能検査改訂版(以下WAIS-R)の下位検査の符号課題(以下WAIS符号)、認知機能のスクリーニング検査としてMini Mental State Examination(以下MMSE)を用いた。実車評価は、高齢者講習を実施している東京都A区および埼玉県B市の指定自動車教習所2カ所の修了検定コースで実施し、検定員による採点を行った。それぞれの指標の基本統計量を求め、各指標間の相関関係をスピアマンの順位相関係数によって求めた。 その結果、実車評価とTMT-AおよびB、WAIS符号、MMSEとの間には相関関係は認められなかった。実車評価と有意な相関関係が認められたのはVFIT-EVの正解率のみであった(rho=.47,p<0.05)。教習所での実車評価が普段の運転を反映するかどうかには検討の余地があるものの、VFIT-EVを用いた有効視野検査によるスクリーニングは、高齢者の運転適性評価のひとつとして期待できるものと考えられた。今後はもの忘れ外来受診者などにおける有効性の検証を行う必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
有効視野測定装置VFIT-EVを独自に開発し、その有効性の検証を部分的に実施するところまで至った。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの検討の対象者を、もの忘れ外来受診者や職業ドライバーに拡大し、実際の事故歴との関連を検討する必要がある。今後の課題としては、実際の事故件数は必ずしも多くないため対象者を多数集める必要があること、また正確な事故歴の把握が困難であること、などが挙げられる。その対策としては、タクシー会社や警察組織に協力を求めることが考えられる。
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Research Products
(7 results)