2012 Fiscal Year Annual Research Report
病理組織学的手法を用いた関節拘縮の病態解明と理学療法学的治療の効果判定
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22500454
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
松崎 太郎 金沢大学, 保健学系, 助教 (10401910)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 関節拘縮 / ラット / 可動域運動 |
Research Abstract |
今年度は関節可動域運動が関節構成体に及ぼす影響について研究を行った。対象には9週齢のWistar系雄性ラット20匹を用いた。ラットは8週で購入し1週間飼育環境に慣れさせた後に実験を開始した。ラットを無作為に治療群1(n=10),治療群2(n=10)の2群に分け,両群共に右膝関節を創外固定を用いて膝関節屈曲120度で不動化した。この時,股関節,足関節には制限がないことを確認した。ラットはケージ内を移動する事が可能であり,水と餌は自由に摂取する事が可能であった。両群共に不動化を行った次の日から全身麻酔下で膝関節に対しROM. Exを行った。ROM. Exの手法は始めの5秒間を膝関節屈曲位で保持し,次の5秒はバネばかりを使用して膝関節を約1Nで伸展し保持した。この時,治療群1は股関節屈曲0度,治療群2は股関節屈曲120度で運動を行った。この運動を3分間,週に6回施行した。実験期間は2週間とし,実験期間終了後,先行研究と同様に膝関節伸展制限の測定,標本作製を行い,画像撮影を行った。 膝関節の伸展制限は,治療群1では平均50.2±4.3度,治療群2では平均48.2±2.4度であり,両群に有意差は見られなかった。今回の実験結果と先行研究で作製した固定群(平均77.3±7.4度)とは有意差を認め(p<0.05),今回施行した可動域運動が可動域制限を抑制した事が明らかとなった。組織病理学的検討では治療群の軟骨表層では膜様の組織は限局的に観察され,肉芽様組織の関節腔内への侵入もほとんど見られなかった。関節腔内に出血を生じたものが見られたが,これは可動域運動に伴う軟部組織の損傷によって生じた可能性が考えられた。今回の実験期間では,可動域制限の要因は筋によるものとする報告があるが,可動域運動を施行する事により筋に対する影響のみならず関節構成体の変化を抑制する可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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