2010 Fiscal Year Annual Research Report
脳出血後の効果的なリハビリテーション療法の開発ならびに脳機能改善機序の解明
Project/Area Number |
22500456
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
石田 和人 名古屋大学, 医学部, 講師 (10303653)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鳥橋 茂子 名古屋大学, 医学部, 教授 (90112961)
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Keywords | 脳卒中 / リハビリテーション / 運動療法 / Constraint-induced movement therapy / acrobatic training / トレッドミル運動 / 神経可塑性 / 神経栄養因子 |
Research Abstract |
脳卒中モデル動物に対する最適な運動療法の条件を追求することを本プロジェクトの最終目的とし、今年度は3年計画の初年度として次の成果を得た。(1)脳卒中モデル動物のより詳細な機能改善効果を評価する手段として、各種の運動および認知機能の評価法が実施できる体制を確立した。(2)線条体出血モデルに対し、術後4-14日後にトレッドミル運動(9m/min、30分間)を行うことにより、運動機能の回復が促進され、非出血側の線条体で、樹状突起の拡大がおこることを示した(論文業績2)。(3)線条体出血モデル動物が実施可能なacrobatic trainingコースを作成・確立し、本トレーニングを実施することにより、脳出血後の運動機能障害の回復が早められる効果をもたらすこと、またsynaptophisin抗体(シナプスマーカー)による免疫染色化学法により、本トレーニング実施群の大脳皮質での陽性細胞の増加傾向を確認した。(4)脳出血モデルに対するConstraint-induced movement therapyの効果を検討する前段階として、正常ラットの片側前肢を1週間強制使用させる(軽いギプス固定により反対側前肢の運動を抑える)ことによる弊害について調べ、大きな副作用は認めないものの、海馬でdark neuron(神経細胞障害最初期像)の出現、神経栄養因子遺伝子(VEGFおよびGDNFのmRNA)の発現減少、および神経新生の抑制(BrdU陽性細胞数の減少)が認められることを示した(論文業績1)。 以上のように、脳出血モデルラットに対する運動療法の手段として、3種の介入方法(トレッドミル運動、acrobatictraining、Constraint-induced movement therapy)を確立し、運動機能改善効果および一部では神経可塑性関連タンパクの発現効果などを見出すに至った。また、脳梗塞モデルラットに対して、記憶機能改善効果および組織障害軽減と酸化ストレス(4-HNE、80HdGの脳内発現)を抑性することを示した。
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Research Products
(22 results)