2010 Fiscal Year Annual Research Report
舌運動圧を用いた構音時舌運動解析の試みと口蓋裂異常構音識別への応用
Project/Area Number |
22500463
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
平原 成浩 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (70218808)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 典史 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (60217875)
緒方 祐子 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (50549912)
五味 暁憲 群馬大学, 大学院 ・医学系研究科, 助教 (10325798)
新中須 真奈 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 医員 (60457653)
上田 裕市 熊本大学, 自然科学研究科, 教授 (00141961)
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Keywords | 口蓋裂 / 口蓋裂言語 / 異常構音 / 舌圧 / 視覚化音声 |
Research Abstract |
口蓋裂に伴う異常構音を識別する目的で、本年度は圧センサー並びに音声視覚化システムを用いて音声発声時の運動パターンを解析する方法の確立を行った。 口蓋面にフィルム型圧センサーを貼付し,健常者1名、口蓋裂患者1名の舌の運動圧を舌の接触圧として測定した。センサーは厚さ0.1mmと極薄のフィルム状であるため,舌運動を阻害したり異物感による構音運動の障害になったりすることはない。また,センサー面には2000箇所以上のセンシングポイントがあるため,舌背表面を細かく分断して運動圧を測定することが可能である。さらにサンプリング速度が100Hzで測定できるため,動的な圧分布の変化を計測可能で構音時の舌運動測定に適している。また,測定した運動時圧は専用の解析ソフトウェアを用いて圧力ごとに色彩表示され,圧分布を視覚的に認知することが容易である。異常構音者の舌接触パターンが正常構音者と異なって現わされ,また個々の圧分布も明確に現わされたため,本装置で舌運動パターンの違いが測定できることが示唆された。 音声の視覚化には録音音声から色調に変換するソフトを用いて行う。これは,音声特徴量(複合パラメータ)の組み合わせにより音韻性(色とテクスチャ)と韻律性(全体形状)を可視化する音声表現形式として独自に開発したものである。そのパターンの直観性とパターン学習能力の拡張性から,単語音声の読み取り(通話補助機能)における有効性が確認されている。これには顎変形症患者の術前後での音声パターンの変化を測定し,音声パターンの変化に伴い表記色調パターンも変化することが示された。 本年度は対象を増やし,両測定法による関連性について検討し、臨床応用へ結びつけるように進めていく。
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