2011 Fiscal Year Annual Research Report
歩行周期に合わせた振動刺激を用いた脳卒中片麻痺患者歩行訓練支援システムの開発
Project/Area Number |
22500465
|
Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
末吉 靖宏 鹿児島大学, 教育学部, 准教授 (30196688)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川平 和美 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (20117493)
下堂薗 恵 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 准教授 (30325782)
|
Keywords | 脳卒中 / 片麻痺 / リハビリテーション / 歩行 / 機能回復訓練 / 訓練支援システム / 歩行周期 / センサ |
Research Abstract |
脳卒中によって生ずる片麻痺の状態から,自立した歩行機能を回復するための訓練方法を見出すことは重要な課題である。通常,片麻痺患者の歩行機能回復訓練では,理学療法士などの介助者が付きっきりで対応することが多く,その人的負担は大きい。そこで,患者が自律的に行える歩行訓練装置などの訓練支援システムが切実に求められている。このような課題に対して,われわれは、脳卒中片麻痺患者に対して患者の歩容に合わせて歩行遊脚側下肢に振動刺激を加えることによる歩行訓練支援システムの開発を進めている。 平成22年度は、歩行靴足底につけた荷重センサ信号に基づき適切なタイミングで患者下肢に振動刺激を加える制御方法についての検討を行った。本年度は、操作時間短縮による患者の負担軽減、臨床利用の際に医療従事者でも利用可能とすることを主な目的として、制御プログラムのユーザーインターフェイスの改善を中心に行なった。それらの内容は、(1)記録する計測データを計測項目ごとに保存する時、ボタン操作を中心にフォルダ名を自動設定する仕様、(2)データを保存するフォルダは、被験者、日付、歩行試技の種類(平地床歩行、トレッドミル一定速度、速度漸増歩行など)などの項目で分け、階層的に分類して保存する仕様、(3)ファイル名は、振動刺激の有・無、歩行順の通し番号、刺激の有無別歩行試技の通し番号を自動的に付けていく仕様などであった。これらの機能は、健常者や脳卒中片麻痺患者を用いた試験計測で動作を確認した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度まで達成予定課題のうち制御プログラムおよびユーザーインターフェイス部分の作成は達成できており、残りの課題である下肢装着のセンサ、モーターの装着方法の改善についても検討を進めているため。
|
Strategy for Future Research Activity |
振動刺激モーターを、これまで使用のものに比べ振動力が強く、振動周波数が低いものに変更した。この新型振動モーターの振動特性を計測・同定する。次に、現在、センサー等の患者下肢への装着はテープ等の貼り付けで行なっているが、時間を要し、効率的な計測が行えない。装着方法を検討し、時間短縮および患者への負担軽減を目指す。振動刺激とトレッドミル歩行を組み合わせた歩行改善効果の確認も検討する予定である。荷重センサアンプやA/D変換装置および電源電池等をひとつのバッグに収め、患者に背負わせていたが、トレッドミルを使用する場合、ハーネスの装着が必要になり、このバッグを別な携帯方法に変える必要が生じてくる。この方法を検討する。システムの完成後は、霧島リハビリテーションセンターにおける脳卒中片麻痺患者への臨床応用を行い、歩行改善支援の歩行促通手技の振動刺激での代替の効果の確認を行う。
|