2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22500469
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
山野 眞利子 大阪府立大学, 総合リハビリテーション学部, 准教授 (80192409)
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Keywords | 糖尿病モデルマウス / 運動療法 / 摂食中枢 / オレキシン神経 / 神経活動 |
Research Abstract |
糖尿病動物は高血糖により起こる全身への様々な障害と平行して、エネルギー代謝等に関与する脳機能の低下がおこる。特に視床下部にある摂食中枢の神経細胞の働きが大きく低下していることがその原因であることを、実験動物を用いて神経科学的に証明することを目的とした。今年度は糖尿病動物に運動療法を施すと、上記の低下していた摂食中枢の神経細胞の働きが正常に近くなるか、エネルギー代謝も同様に回復するか、さらに何日間その効果が続くかを顕微鏡的・分子生物学的・行動学的に研究した。【方法】2型糖尿病を示すdb/dbマウスを用い、ヒトでの運動療法に似るように動物をトレッドミル上を、速度は歩きよりやや速い(6~7m/分)速度で、1日30分間、4日間走らせた。最終運動終了直後とさらにその2日後にも犠牲死させ、以下の検討をした。脳の視床下部にある摂食関連神経であるオレキシン神経細胞とMCH神経細胞をターゲットとし、これらの神経の活動性の変化を核内に出現するc-fos蛋白をマーカーとして免疫組織化学的方法により詳細に検討した。さらにオレキシン、MCH, NPY等のmRNAの変化をRT-PCRで検討した。【結果】高血糖を示すdb/dbマウスの脳内では安静時ではオレキシン神経細胞の核内に出現するc-fos蛋白は、コントロールのdb/mマウス比較して大幅に減少していた。運動直後のdb/dbマウスでc-fos蛋白は増加し、数量は正常動物に近くなった。さらに本研究費で購入したマウスの自発運動解析システムを用いマウスの行動を観察したが、4日間の短時間トレッドミル運動では運動量の変化は見られなかった。しかし回転車を使って自由に運動させた糖尿病マウスでは1日の総運動量が2倍に上昇していた。
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Research Products
(1 results)