2012 Fiscal Year Annual Research Report
慢性統合失調症患者の社会的認知機能の研究と漫画等を用いた認知技能訓練法の開発
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22500470
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
西川 隆 大阪府立大学, 総合リハビリテーション学部, 教授 (60273629)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 宏明 大阪府立大学, 総合リハビリテーション学部, 助教 (60364030)
大西 久男 大阪府立大学, 総合リハビリテーション学部, 准教授 (80194231)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 統合失調症 / ユーモア / 比喩 / 皮肉 / 心の理論 / 社会的常識 |
Research Abstract |
(1)前年度までに行った3つの研究を論文にまとめ、投稿予定である。研究結果の概要はいずれもすでに日本統合失調症学会にて発表した。 ①「慢性統合失調症患者における身だしなみ行動と自己モニタリング」:患者60名において身だしなみは健常者と比べて大差がないが主観的評価は客観的評価より低く、社会的活動については逆に主観的評価が客観的評価より高かった。身だしなみ・社会的活動ともに全般的機能状態が低いほどモニタリング機能は低かった。自己モニタリングの程度は身だしなみが社会的活動に比べて高かった。 ②「慢性統合失調症患者における心の理論機能と社会的常識の認知」:患者50名において、心の理論機能に粗大な問題はなかったが、「奇妙な物語」課題では複数の項目で健常者と有意な差がみられ、他者の感情の理解に問題を呈していた。 ③「慢性統合失調症患者における比喩・皮肉の理解」:患者28名において「比喩・皮肉テスト」を用い、語用論的機能を検討した。統合失調症者は語用論的能力の障害を有しており、比喩理解は基本的な認知機能と関連があったが、皮肉理解は心の理論能力と関連していた。また心の理論の障害と皮肉を文字通りに解釈する傾向は非社会的行動に対する判断力低下と関連していた。 (2)新聞に掲載された漫画および笑話を素材として前年度までに試作したユーモア理解力の評価法に関して健常者および患者11名に施行した検査結果を分析した。健常者が検査素材に対して与えるユーモア評価が均質で量的な偏移が少ないのに比して、患者のユーモア評価は個体間の差異が大きく、健常者に比して過大または過小に評価し、一定の質的傾向は見出せなかった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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