2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22500471
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Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
Principal Investigator |
城本 修 県立広島大学, 保健福祉学部, 教授 (00290544)
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Keywords | 自覚的評価尺度 / 表面筋電図 / 自律神経 / 心理的特性 / ストレス耐性 |
Research Abstract |
機能性音声障害の病態に関する多角的な観点からの調査研究をする目的で,自覚的評価尺度を作成し患者自身の評価を検討した.さらに,発声時の外喉頭筋の筋緊張と心理的ストレスとの関係について表面筋電図を用いて検討した.昨年度に作成した自覚的評価尺度は,音声言語医学会誌に掲載され,さらに現在,小児用の自覚的評価尺度を作成し,小児用自覚的評価尺度も0.92(クロンバックα)という高い信頼性を示し,小児用も実用化できる見通しとなった.この小児用自覚的評価尺度は保護者用も開発しており,こちらも0.93(クロンバックα)という高い信頼性を示しており,実用化できると考えられる.この結果は,すでに言語聴覚研究誌に投稿しており,今年度掲載される予定である.こうした結果から,音声障害の診断治療に患者自身の標準化された自覚的評価尺度を用いることが可能となり,臨床場面での活用が期待される. 表面筋電図の検討では,患者の心理的特性(内向型・外向型)やストレス耐性との間に,何らかの関係があることが実験から示唆された.患者の内向型心理特性や弱いストレス耐性が,発声時の緊張と関連し,機能性発声障害の要因となりうることが予測される結果が得られた.さらに緊張状態と自律神経との関係を詳細に検討し,表面筋電図と心拍数等のパラメータを用いて,発声時の外喉頭筋と自律神経との関係を検討する予定である.この結果は,今年度の日本言語聴覚学会で発表する予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
言語聴覚士が行える音声障害の診断治療システムとしての患者の自覚的評価尺度の作成もほぼ完成し,さらに機能性音声障害の病態を解明する目的で行なっている筋電図や自律神経の解析も順調に進行している.
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Strategy for Future Research Activity |
得られた研究成果を公開できるような講演会を今年度中に東京と京都,および福島で開催する予定である.現在,講演会場の設定や会告等の事務作業をどうするか検討中である.講演会場についてはほぼ確保でき,日程と会告および事務局業務を委託中である.
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