2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22500476
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
坂本 美喜 北里大学, 医療衛生学部, 講師 (40365177)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡 和之 東邦大学, 医学部, 准教授 (10120247)
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Keywords | 骨格筋 / 廃用性筋萎縮 / 筋膜 / 走査型電子顕微鏡 |
Research Abstract |
活動量の低下に伴う骨格筋の萎縮は廃用性萎縮と呼ばれる.萎縮に伴う構造変化に関しては筋線維辺縁の波状変化や筋原線維の破綻,Z線の変化などが報告されている.我々は,廃用性萎縮筋において筋線維の波状変化が出現することを報告し,廃用性萎縮のマーカーとなることを示した. 本研究では,萎縮に伴って出現する筋線維の波状変化に着目し,走査型電子顕微鏡(SEM)と免疫組織化学染色法を用いて解析を実施した.昨年度は,廃用性萎縮筋の辺縁部に波状構造を呈する部位が観察され,SEMおよび免疫組織染色で確認した結果,波状構造の部位では基底膜が筋の細胞質に入り込み溝のような構造を呈していたことが分かった.筋膜は,筋再生に重要な役割を果たすが,筋線維の形態変化と筋膜の関連について言及した先行研究はない.そこで、今年度はこの波状の構造変化の発生原因について検討した. 実験動物は5週齢のICR系雌マウスを用いた.廃用性筋萎縮は,足関節固定(足関節最大底屈位)して惹起した.10日間固定後ヒラメ筋を採取し,連続したパラフィン切片を作成した.そして,SEMおよびコラーゲンIV抗体,MMP2抗体を用いた筋膜の観察と,デスミン抗体を用いた筋細胞内の免疫組織学的分析を実施した.その結果,廃用性萎縮筋においてMMP-2抗体の反応がわずかに強い傾向があったが,筋細胞全体で一様であり,波状の部位に限局したものではなかった.またデスミン抗体を用いた細胞内の染色についても,筋膜の形状変化部位において特徴的な所見は見出せなかった.このことから,筋膜の構造変化とMMP-2の発現との関連性は明らかにならなかった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
原因と考えたタンパク質発現について免疫組織染色を実施した.実験条件等も変更して検討したが,明らかな変化が見出せていない.
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Strategy for Future Research Activity |
筋採取の方法および組織固定方法を変更する.その上で,細胞内微細構造について再度観察を進める.さらに,MM-2以外でも膜構造変化に関与すると想定されるタンパク質について発現を確認していく.
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