• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2011 Fiscal Year Annual Research Report

パーキンソン病のリハビリテーションの効果を明らかにする

Research Project

Project/Area Number 22500478
Research InstitutionJuntendo University

Principal Investigator

羽鳥 浩三  順天堂大学, 医学部, 講師 (20286735)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 長岡 正範  順天堂大学, 医学部, 教授 (10138258)
赤居 正美  国立障害者リハビリテーションセンター病院, 研究所, 院長 (80143452)
鈴木 康司  国立障害者リハビリテーションセンター病院, 医長 (30615977)
Keywordsパーキンソン病 / リハビリテーション / 嚥下障害 / 嚥下造影 / 舌骨動態 / 無動
Research Abstract

パーキンソン病(PD)の嚥下障害は、進行期には薬剤抵抗性となり、リハビリテーションの対象としても重要な運動障害に位置付けられる。嚥下運動は随意期から反射期へ受け継がれる運動で、これが円滑に受け継がれることが必要である。PDにおける嚥下造影検査(VF)では嚥下後の喉頭蓋谷へのbolus(食塊)の残存や、口腔相(随意期)におけるbolusに対する舌の運動障害(舌のポンプ様上下運動やすくみ現象)による嚥下の惹起遅延などがよくみられる。私たちは肺炎を主に入院したパーキンソン病の嚥下障害についてVFを施行し、VFによるVTR画像を静止画に分解、舌骨の位置を決定するために舌骨の座標を計測し、舌骨の上方運動(挙上)を随意運動の指標とし、一方舌骨の前方運動を不随意運動の指標としてこれらを検討した。その結果、PDでは舌骨挙上率が対照に比して有意に低く(挙上運動が遅延)、この舌骨の挙上遅延がUPDRSの運動スコアとどのような関連があるか検討を加えたところ、指タップ運動および上肢の回内/回外運動の項目のスコアと舌骨挙上率との間に、いずれも負の相関を示した。この舌骨の挙上率が対照に比し有意に低く遅延し、UPDRSの無動に関連した運動スコアとの間に負の相関を認めたことは、この舌骨の挙上運動が中等から進行期のPDで出現するL-dopa不応の運動障害(無動)に関与する可能性があるのではないかと推測している。嚥下に関わる舌骨動態は、舌骨の挙上運動の途中から前方移動が惹起され、その後最大挙上に至る。この舌骨の挙上運動は随意期と反射期の両期が関わり、前方移動は反射期と考えられている。舌骨挙上における随意期の運動は従来の検討を調査しても極めて短時間の運動であり、この舌骨の一連の運動過程において舌骨の挙上開始後は、随意的に運動を中止できないと考えられている。このことは非運動症状の影響を殆ど受けない運動障害(随意期の運動障害)として検討できる可能性があり、今後さらに嚥下障害が初期PDを含めた病期や罹病期間などと併せてリハビリテーション効果との関連を検討している。今回の検討結果を論文投稿するための準備を進めている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

パーキンソン病(PD)のリハビリテーションの対象となる症候は、薬剤抵抗性の運動障害(無動や動作緩慢)や主要症候(動作緩慢や姿勢反射障害など)に伴う二次的機能障害であるが、具体的には前者にはすくみ足などの歩行障害や嚥下障害が後者には筋力低下や拘縮などの廃用関連症状が該当する。私たちはPDの嚥下障害について上記実績報告に記載したような所見を得たが、当初の目標にできるだけ則りながら、運動障害の対象症候として嚥下障害に焦点を当て検討を進めるに至っている。

Strategy for Future Research Activity

パーキンソン病(PD)の運動障害の中で嚥下障害は発症早期から病期を通じて認められ、特に進行期には誤嚥性肺炎の大きな要因となり同疾患の予後に大きく影響を及ぼすのみならず、リハビリテーションの領域においても重要な対象症状と考えられる。今回の私たちの結果は、嚥下運動を舌骨動態の観点から検討した結果、PDで随意期から反射期への移行過程における舌骨挙上運動の遅延を明らかにした。これは、従来の検討にはない新しい所見と考えられ、さらに症例を集積し画像解析やL-dopa治療(血中濃度など)の影響を検討しながら主要な運動障害との関連性を含め得られた所見にリハビリテーションがどのような役割を果たしているのかを明らかにするため研究を推進させたいと考えている。

  • Research Products

    (3 results)

All 2012 2011

All Journal Article (2 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] パーキンソン病診療の最前線.パーキンソン病の最新のリハビリテーション2012

    • Author(s)
      羽鳥浩三、長岡正範
    • Journal Title

      Modern Physician

      Volume: 32 Pages: 213-216

  • [Journal Article] 《パーキンソン病を治療する》パーキンソン病のリハビリテーション2011

    • Author(s)
      羽鳥浩三、長岡正範
    • Journal Title

      内科

      Volume: 107 Pages: 849-853

  • [Presentation] パーキンソン病の嚥下に関する臨床的検討2011

    • Author(s)
      羽鳥浩三、鈴木康司、石橋郁子、林康子、寺門厚彦、服部信孝、赤居正美、長岡正範
    • Organizer
      第48回日本リハビリテーション医学会学術集会
    • Place of Presentation
      千葉(幕張メッセ)
    • Year and Date
      2011-11-02

URL: 

Published: 2013-06-26   Modified: 2014-03-17  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi