2010 Fiscal Year Annual Research Report
マルチモダル・イメージングを用いた経頭蓋直流電気刺激効果の生体分子メカニズム
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22500479
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
大林 茂 日本医科大学, 医学部, 助教 (90318246)
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Keywords | ニューロリハビリテーション / 機能的近赤外線スペクトロスコピー / ドーパミンD2 / 脳可塑性 / ポジトロンCT(PET) |
Research Abstract |
本研究では、複数のモダリティ(NIRS、f-MRI、PET)を駆使しtDCS効果発現の分子メカニズムを明らかにすることでtDCS適応条件の設定や効果持続性向上に寄与できるだけでなく根本治療に向けて個人ごとに最適化されたテーラーメイド医療の実現にも貢献できるものと期待される。本年度は、まず1)tDCSによる脳血流変化を機能的近赤外線スペクトロスコピー(以下、f-NIRS)で計測可能か、2)tDCS後効果はどのくらい持続するのかf-NIRSによる酸化ヘモグロビン濃度変化で検討した。 方法として、健常被験者3名(男性、37-46歳)を対象に座位にて右母指-示指間pinching20秒間維持期(最大筋力の50%出力)と40秒間の安静期を交互に5セット繰り返しながら、左半球運動皮質直上を中心に近赤外線プローブを設定、f-NIRSにて酸化ヘモグロビン濃度を測定した。測定条件としてtDCS(刺激強度1mA,持続時間13分間)前、刺激中(刺激開始10分後)、刺激終了後10分、30分,60'分,90分,120分の7条件で実施した。 その結果、tDCS前の右pinching時のOxy-Hb濃度と比べ、刺激中のそれは減少、その変化は刺激終了後120分でも続いていた。その変化の程度は個人間で違いがあるものの全例において変化が認められかつ持続していた。以上の結果より、1)f-NIRSを用いてもtDCSの効果、後効果とも十分計測可能であること、2)その効果は少なくとも刺激終了後2時間持続している可能性があること、さらにその効果の程度に個人差があることが示唆された。この結果はtDCSの効果の個人差と関係がある可能性があり今後より効率よく効果を向上するために重要な情報である。
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Research Products
(4 results)