2011 Fiscal Year Annual Research Report
マルチモダル・イメージングを用いた経頭蓋直流電気刺激効果の生体分子メカニズム
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22500479
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
大林 茂 日本医科大学, 医学部, 助教 (90318246)
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Keywords | ニューロリハビリテーション / 機能的近赤外線スペクトロスコピー / ドーパミンD2 / 脳可塑性 / ポジトロンCT(PET) |
Research Abstract |
本研究では、複数のモダリティ(NIRS、f-MRI、PET)を駆使しtDCS効果発現の分子メカニズムを明らかにすることでtDCS適応条件の設定や効果持続性向上に寄与できるだけでなく根本治療に向けて個人ごとに最適化されたテーラーメイド医療の実現にも貢献できるものと期待される。本年度は、1)薬剤を健常人に負荷するため、医師による探索的臨床研究に相当、損害保険会社の損害補償保険に加入する手続きをすすめた。2)3TMRIを用いてf-MRI実験環境を整備しSPM解析による運動課題motor mapを作成準備が完結した。その解析結果を参照しこれまでのf-NIRSで汎用されている国際脳波基準10-20法による簡易な運動中枢手指再現領域とされるC3、C4の調整を試みる。3)共同研究施設でのPET実験に先駆け、ドーパミンのt-DCS効果への修飾作用の可能性について薬理学的検討をした。NIRSによるoxy-Hb濃度変化を指標にドーパミンD2受容体拮抗薬(スルピリド)を服用前後でのtDCS(transcranial direct current stimulation;仕様としてanodal mode,刺激強度1mA,刺激時間10min)効果への影響の有無を検討した。スルピリド25,50,100mg各用量でのtDCS効果への影響を検討した結果、服用前と比べ明らかにoxy-Hb濃度変化に違いがあることが示唆された。一方、tDCSによる直下皮質の脳血流に変化があることも確認できたことより次年度のPET実験プロトコールを考える上で、重要な情報を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ドーパミンの修飾作用をヒトで検証するため、損害賠償保険に加入する必要があったことと所属施設でのMRIが3テスラへアップグレードしたことによる関連設置工事に伴う使用制限期間などにより若干遅れたがなんとか実験環境を整え上記の成果を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
1)f-MRI解析結果得られた運動マップを形態MRIに重ね合わせ、形態MRI外部マーカー基準点より体部位再現マップ直上にtDCS電極刺激部位を調整・配置する。tDCS刺激(強度:1mA、duration 5 min,interval 10 min)しblock designで各NIRS計測。suhjectごとにのCSによる血流変化の程度を検討する。 2)無侵襲な近赤外線スペクトロスコピー(以下NRS)を用いてtDCSとドーパミン拮抗薬(D2アンタゴニスト;スルピリド)服用によりドーパミンのtDCS作用への修飾様式を検討する。3)tDCS効果の個人差と生体内ドーパミン受容体密度との関係の検討:上記被験者を対象に、[11C]FLB457を用いたPET計測を行い、効果の個人差とD2受容体との関係性を検討する。 これらの実験を効率よく同時並行的に推進し期間内に目標とする実験を完結するよう最大限努力する。
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Research Products
(3 results)