2011 Fiscal Year Annual Research Report
新しい心血管年齢指標ー耐久性運動負荷の効果判定への応用ー
Project/Area Number |
22500489
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Research Institution | Himeji Dokkyo University |
Principal Investigator |
田中 みどり 姫路獨協大学, 医療保健学部, 講師 (50441332)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅原 基晃 姫路獨協大学, 医療保健学部, 名誉教授 (60010914)
泉 唯史 姫路獨協大学, 医療保健学部, 教授 (40278990)
高木 都 奈良県立医科大学, 医学部, 特任教授 (00033358)
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Keywords | ウェーヴ・インテンシティー / 心血管年齢 / 運動 / 心筋保護効果 |
Research Abstract |
加齢による心血管機能の変化を超音波診断装置で非侵襲的に測定する方法の妥当性の評価と運動効果の検証が,本年度の研究実施計画であった.動脈直径(D)の相対的な時間変化率(dD/dt)/Dは,加齢とともに血管が硬くなり減少する.血流速度(U)の時間変化率(加速度)dU/dtも加齢により,心拍出の様式が変わり減少する.したがって,この両者の積であるウェーヴ・インテンシティー(WD)の最大値(WD_1)は加齢により減少する.そこで,α=470/WD_1を新たな心血管年齢指数と定義し,まず正常例において,αと年齢の関係を検討した.ヒトを対象に超音波診断装置を使用し測定を行った.112名の心疾患の無い健康な男女(男性86名,女性26名,平均年齢±標準偏差:24.8±9.6歳;年齢範囲:21-70歳)を対象にαを算出した.αと年齢とは有意な相関(r^2=0.44,p<0.0001)が見られた.次に25名の心疾患の無い健康な男女を対象に(男性18名,20.8±1.0歳)8週間のエルゴメータでの運動(PeakVO260%,30分/回,2~3回/週)を施行して後に運動前のデータと比較した.結果,αは有意に減少(p<0.005)した. また,心臓リハビリ療法による虚血-再灌流障害に対する心筋保護作用を明らかにする目的で,ラットを用いて,虚血-再還流前のトレッドミル運動が心筋保護作用を示すかどうか,SNJ-1945の結果と比べて検証した.その結果,虚血-再還流前のトレッドミル運動は,SNJ-1945前投与と同様に心虚血再灌流障害を減弱させる心筋保護作用を示す結果を得た.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
心血管年齢のデータ数は,計画当初より多い.しかし,年齢層は若年者が多く,年齢構成のバランスに欠ける.運動による心筋保護効果はラットにおいて,効果が見出された.さらにヒトによる運動において,臨床的に良く用いられる運動頻度,強度で8週間施行したところ,心血管年齢は若年化した.今年は,ラットでの実験と同様の負荷で2週間の短期間運動での効果の検証を行う.
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Strategy for Future Research Activity |
心血管年齢の対象者は中高年以上を主としてデータを取る必要がある.また,運動はラットでの実験と同様の負荷で2週間の短期間運動での効果の検証を行う.
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Research Products
(9 results)