2010 Fiscal Year Annual Research Report
培養筋芽細胞を用いたストレッチの最適有効量の決定と効果発現機序の解明
Project/Area Number |
22500491
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Research Institution | Kibi International University |
Principal Investigator |
元田 弘敏 吉備国際大学, 保健科学部, 講師 (30278999)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平上 二九三 吉備国際大学, 保健科学部, 教授 (60278976)
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Keywords | リハビリテーション / ストレッチ |
Research Abstract |
機械的伸展刺激が増殖期の筋芽細胞に与える影響を検証した。材料としては骨格筋様細胞の性質を持つラット心臓由来筋芽細胞であるH9C2細胞を用いた。ストレッチ刺激の方法は伸縮可能なシリコン性のチャンバーの底面をコラーゲン膜でコーティングし、細胞が70%confluence(培養細胞が接着面に80%密集して広がった状態)の細胞条件で伸張率は4%の強度で、刺激の頻度は6往復/分、刺激時間15分で培養細胞伸展装置NS-550を用いて行った。ストレッチ刺激の細胞増殖(細胞の分裂)と分化に及ぼす影響を検定するために、各培養プレートに5ヶ所マーキングを施し,経時的(伸展刺激直後,1,2,3日後)に位相差顕微鏡下(200倍)で観察,写真撮影した。筋芽細胞の増殖(分裂)の指標として細胞核の増殖率(伸展刺激後各日の細胞核の数/伸展刺激前の細胞核の数×100(%))を算定した。筋芽細胞から筋管細胞への分化の指標として核の融合率(筋管細胞に取り込まれた核の数/総核数×100(%))を算定した。また0日,3日後の各群3枚のプレートをアルコールで固定後にヘマトキシリン・エオジン(HE)染色を行い,同様に観察した。1.細胞は伸展刺激前で約70%confluence,伸展刺激3日後で約100%confluenceとなった。増殖率は対照群,伸展群ともに同様の増加傾向を示し,伸展刺激1日後,2日後,3日後のいずれにおいても有意差は認められなかった。HE染色後においても同様の傾向が認められた。これは本実験条件での筋芽細胞に対する伸展刺激は増殖に悪影響を及ぼさないことが示唆された。2.伸展刺激2日後では伸展群の核融合率は対照群と比べ10.4%(p<0.05),刺激3日後で23.0%(p<0.01)増加した。このことから,本実験での筋芽細胞対する伸展刺激は細胞分化に好影響を及ぼすことが示唆された。
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