2012 Fiscal Year Annual Research Report
認知症者のコミュニケーション障害の類型化に基づく包括的アプローチの開発
Project/Area Number |
22500494
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Research Institution | Shigakukan University |
Principal Investigator |
飯干 紀代子 志學館大学, 人間関係学部, 教授 (80331156)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯干 明 鹿児島大学, 教育学部, 教授 (20117477)
山田 弘幸 九州保健福祉大学, 保健科学部, 教授 (70331155)
大森 史隆 九州保健福祉大学, 保健科学部, 助手 (70551307)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 言語聴覚療法 / 認知症 / コミュニケーション障害 / リハビリテーション / 類型化 |
Research Abstract |
本研究の目的は、認知症者の70%以上にみられ、認知機能低下や行動障害の増悪、リハビリテーションや介護困難の要因の一つとされるコミュニケーション障害について、①我々が既に開発した方法での包括的な評価、②障害の類型化、③タイプごとのコミュニケーションアプローチの開発と実践、④介入効果の検証を行うことである。平成23年度までに①②③を終了し、コミュニケーション障害を全体高型、聴覚障害型、認知障害型、構音障害型、全体低型に類型化して、各々へのアプローチを検討した。全体高型、構音障害型、全体低型については、既存のアプローチが適用可能と考えられたことから、今年度は、聴覚障害型と認知障害型に対する新規アプローチについて「④介入効果の検証」を行った。研究成果は以下の通りである。 1)聴覚障害型:補聴器継続装用の要因を分析した。その結果、補聴器のフィッティングが可能であったのは51例中18例、装用4か月可能であったのは5例で、累積dropout率は、各々64.7%、90.2%と高かった。重回帰分析の結果、補聴器装用期間と強い関連を示したのは、(mini mental state examination、以下MMSE)のワーキングメモリーと、単語の復唱であった。以上より、認知症者の補聴器継続装用は容易ではないが、装用に有効と思われる2要因が明らかになり、臨床応用の視座が得られた。 2)認知障害型:メモリーブックを用いて認知・言語・行動障害への介入を行った。3か月後の再評価において、MMSEが15→17/30点に向上し、標準失語症検査補助テストでは発話開始時間の短縮、発話量増加、主題説明能力向上を認めた。標準意欲検査では「ほとんど意欲がない」→「中等度の意欲」と改善した。行動障害評価では興奮拒否、易刺激性、脱抑制のスコアが改善した。以上より、メモリーブックの認知・言語・行動障害への有効性が示された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(14 results)