2012 Fiscal Year Annual Research Report
選択反応時間タスクを用いた脳梗塞片麻痺の回復過程の解明
Project/Area Number |
22500495
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
金子 秀和 独立行政法人産業技術総合研究所, ヒューマンライフテクノロジー研究部門, 主任研究員 (20356801)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | リハビリテーション / 逆転学習 / ラット / 片麻痺モデル |
Research Abstract |
脳機能障害のリハビリテーション過程は、感覚や運動機能の再学習と密接に関連しており、リハビリテーション技術の高度化のためには脳の可塑性や学習過程の解明が欠かせない。我々は、脳梗塞後のリハビリテーション過程においても、鳥の歌学習と同様に感覚学習期から運動学習期へと段階を経た学習過程が存在し、それに応じた適切な機能回復訓練法あるいは訓練時期が存在するのではないかと考えている。本研究では、感覚運動機能の左右差を評価可能な新規ラット用選択反応時間タスクを脳梗塞片麻痺ラットに行わせ、脳損傷後の回復過程においても感覚学習期から運動学習期への学習過程の変遷が見られることを実証し、リハビリテーション技術の高度化に寄与する。 前年度までに、健常ラットに選択反応時間タスクの逆転課題を学習させ、利き手の違いに着目して学習曲線を解析することで、一般の感覚運動連合学習が感覚学習期と運動学習期からなるのではないかとの知見が得られている。今年度は、選択反応時間タスクを脳梗塞片麻痺ラットに行わせ、脳損傷後の回復過程においても感覚学習期から運動学習期への学習過程の変遷が見られるかどうか検討した。その結果、麻痺側前肢の感覚機能が障害されたことに伴う成績の低下が逆転学習初期に現れて消失し、その後、運動機能が障害されていたことに伴う成績の低下が顕著に現れた。脳損傷による左右前肢の感覚機能の違いによる成績の差が運動機能の違いによるものよりも先に消失していたことから、感覚系に関連した学習が運動系に関連した学習に先行しているのではないかという知見を得た。 本研究成果は、一般の感覚運動連合学習やリハビリ訓練において、感覚系に関連した学習の上に運動系に関連した学習が成り立っていることを示唆するものであり、リハビリ訓練法を開発する上で有用な知見であると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)