2010 Fiscal Year Annual Research Report
運動中の血圧が加齢に伴って上昇するメカニズムの解明
Project/Area Number |
22500496
|
Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
小峰 秀彦 独立行政法人産業技術総合研究所, ヒューマンライフテクノロジー研究部門, 研究員 (10392614)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅原 順 独立行政法人産業技術総合研究所, ヒューマンライフテクノロジー研究部門, 研究員 (00357261)
横井 孝志 独立行政法人産業技術総合研究所, ヒューマンライフテクノロジー研究部門, 副研究部門長 (80192805)
|
Keywords | 動脈血圧反射 / 血圧 / 心拍数 |
Research Abstract |
今年度は、動脈血圧反射評価装置(頚部陰圧陽圧負荷装置)を製作し、約30人を対象にデータ収集し装置の妥当性を検証した。頚部陰圧陽圧負荷装置は、ネックカラー、陰圧ポンプ、陽圧ポンプ、圧力調整弁、および圧力制御部で構成した。心電図R波をトリガーにして、+40mmHg~-80mmHgの圧力を任意時間(2-5秒間)、ネックカラー内に負荷することが可能であった。負荷する圧力は、単一圧力または連続する異なる圧力値の両方を設定することが可能であった。これにより、単一圧力に対する血圧反射応答の評価、または、連続する異なる圧力負荷に対する血圧反射カーブ全体の評価が可能となった。ネックカラーはサイズの異なる2種類のものを用意した。 次に、この装置を実際に用いて、若年者を対象に血圧反射を評価した。血圧反射の評価は、ベッド上仰臥位にて行った。心電図、連続血圧計(beat-by-beat)を記録し、ネックカラーに陰圧、陽圧を負荷した。約5秒間の陰圧を与えると、血圧反射応答としての心拍数低下、および血圧低下がみられた。逆に、約5秒間の陽圧を与えると、血圧反射応答としての心拍数上昇、および血圧上昇がみられた。+40mmHg,+40mmHg,+40mmHg,+40mmHg,+20mmHg,+10mmHg,0mmHg,10mmHg.20mmHg,40mmHg,60mmHg,80mmHgの連続圧力負荷を与えたところ、心拍数、血圧ともに圧力に応じて変化した。圧力変化に対する心拍数、血圧はシグモイド状の血圧反射応答曲線を描いた。以上の結果は、製作した頸部陰圧陽圧負荷装置を用いて動脈血圧反射を評価できることを示唆する。 ネックカラーについては改良の余地が残った。小さいネックカラーの場合、被験者によっては血圧反射応答がみられなかった。これは、頸部に存在する血圧反射受容器に対する刺激が不十分だった可能性が考えられる。より安定した血圧反射評価をするために、ネックカラーを改良する必要がある。
|