2011 Fiscal Year Annual Research Report
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22500497
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Research Institution | Spinal Injuries Center |
Principal Investigator |
植田 尊善 総合せき損センター, 研究部, 研究員 (00574138)
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Keywords | 脊髄損傷 / 廃用性筋萎縮 |
Research Abstract |
せき損センターに損傷急性期より入院加療した患者の、経時的な筋萎縮の計測データを大腿周囲径ならびに下腿周囲径を計測して集積している。これまでに35名の患者について入院時、損傷後72時間、2週間、4週間のデータが蓄積されているが、マウス筋萎縮モデル(脊髄離断モデル)で認められたような急速な筋萎縮(損傷後72時間で31%の筋萎縮)は認められていない。特に完全麻痺患者でも大腿周囲径は数センチメートル程度の減少しか認められなかったため、周囲径の計測よりはエコー下に大腿四頭筋断面積によりデータを集積した方が適切ではないかと考えているが、引き続き損傷後6ヶ月までデータを蓄積する予定である。不全麻痺患者の場合は大腿周囲径、下腿周囲径ともに減少の程度はわずかであり、麻痺の程度や回復に相関することが明らかとなった。 一方、基礎研究に於いては連携研究者である岡田、大川らの成果により、クロマチンリモデリング因子Chd2が筋分化のマスター遺伝子であるMyoDと供作用して筋分化に必須であることを解明した。特に、Chd2はヒストンバリアントであるH3.3を予め取り込むことにより、筋分化が開始する以前に分化関連遺伝子群をマーキングしており、このようなエピジェネティックなメカニズムにより筋分化が制御されていることを明らかにした。実際、筋萎縮マウスへの幹細胞移植に於いて、Chd2の機能を阻害した幹細胞移植では細胞は分化も生着も認められないのに対し、Chd2を強制発現させた細胞移植に於いては良好な細胞の生着と分化を認めた。これらの結果は、細胞移植による廃用性筋萎縮の治療や予防に資する成果であると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
脊髄損傷患者の筋萎縮データが順調に集積されていること、マウス筋萎縮モデルを用いた基礎研究により、筋萎縮モデルの確立ならびに筋分化に関するエピジェネティック因子の同定がなされたこと、などから。
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Strategy for Future Research Activity |
筋萎縮データの集積を継続し、場合によってはエコーガイド下に大腿四頭筋断面積のデータを追加する。データが集積された段階で、年齢や麻痺の重症度と筋萎縮の程度や形成速度に関する相関解析を行なう。基礎研究に於いては筋萎縮の際に発現上昇するエピジェネティックなマスター遺伝子の同定を進める。
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Research Products
(4 results)