2011 Fiscal Year Annual Research Report
骨伝導聴覚刺激によるP300応用意思伝達支援システムの実用開発
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22500502
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
千島 亮 信州大学, 医学部, 准教授 (80252112)
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Keywords | 骨伝導聴覚刺激 / 事象関連電位P300 / 意思伝達支援技術 / 脳波応用 / リハビリテーション工学 / 支援技術 / BCI / 作業療法 |
Research Abstract |
H23年度研究計画は以下の4項目を主眼に研究計画を進めた.1:基本的な両耳則からの骨伝導聴覚刺激によるP300応用BCIシステムを構築.2:オンライン・データ分析システムの設計と抽出アルゴリズムの検討・開発.3:目的成分のオンライン分析とコマンド発信システムの検討・構築.4:脳波応用技術の開発研究を進めている研究機関との連携と情報収集,以上の計画実施により,実験用の骨伝導刺激によるP300型BCIシステムを構築した.健常被験者5名による実験で,フィードバック機構を持たせたシステムの操作実験を行った.結果,目的P成分導出はすべての被験者で可能であった.また,得られた成分の最大振幅値には個人差が大きく,オンライン上での特徴抽出パラメータとしては,個人ごとの抽出条件を設定した目的成分の同定が効率的なユーザ・フィードバックに影響する傾向にあった.受聴者の明瞭度を担保した刺激の呈示条件としては,音圧レベル(SPL)70dB程度が必要であった.しかし,被験者によっては刺激伝導子の接地面で振動による体性感覚刺激に至る例があり,刺激音の呈示時間と受聴者の感覚量とを把握できるオージオメータ等を用いたnormal hearing level (nHL)での客観的検討が必要であった.また,最適な呈示条件については,骨伝導による交叉聴取(CH)機構を加味した検討についても基礎的実験が必要であると判断された.次年度に向けても前述の課題を検討し,1:オフライン・データ分析・処理システムの検討,2:最適特徴抽出アルゴリズムの検討,3:ユーザ・フィードバック時のオンライン・データ分析・処理に関わる算出アルゴリズムの検討に主眼を置いて研究を進める.具体的なデバイス操作を想定した基本システムの整備・構築の可能性について検証を進め,骨伝導聴覚刺激を用いたP300型BCI構築の可能性について研究を進める.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度実施により収集できたユーザ・フィードバックによる健常者データは5名程度となっているが,フィードバソク実験の実施においては本年度当初計画通り進捗している.
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Strategy for Future Research Activity |
最適な刺激条件をより明確にする上で,両耳側からの骨伝導刺激音の受聴者特性を客観的に把握するための基礎的検討が必要となった.本研究申請の計画・予算範囲で客観的な実験データ解析・検討を進め,今後の課題を明確に出来るよう研究を進める.関連する課題について,先駆的に研究推進している研究機関との連携や情報収集・交換を更に進める.
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Research Products
(18 results)