2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22500504
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
山田 宏尚 岐阜大学, 工学部, 教授 (80240034)
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Keywords | バーチャルリアリティ / 福祉 / 車椅子 / シミュレータ |
Research Abstract |
車椅子シミュレータを構築し,揺動感覚と人の認知機能との関係および,車椅子の動作訓練への適用可能性について検証することを目的として研究を行った. 本年度では,車椅子シミュレータに対し,車椅子のハンドリム部への力覚提示を可能にするため,車輪駆動用のサーボモータおよびトルクセンサを付加した.そして本システムに対し,仮想空間上で車椅子の運動を実現するために必要となる数学モデルを導出した.数学モデルでは,車椅子と搭乗者の動的モデルを導き,これに基づき,駆動輪の回転量から車椅子の移動距離と旋回量を計算した.また,操作者が車椅子の左右駆動輪に対して与えたトルクから,車椅子の速度および旋回速度を求めた.その車椅子の速度および旋回速度より数学モデルに基づいて,左右駆動輪の角速度を計算した.これらに基づき車椅子車輪に直結されたサーボモータを駆動させることにより,操作者は実際の車椅子が動くときとおなじ力覚を得ることができる.加えて,車椅子の速度および旋回速度から仮想空間上の車椅子の位置をリアルタイムに計算することで,車椅子の位置を視覚により提示することができる.なお数学モデルの妥当性については,車椅子の運動の軌跡と移動速度を比較することで検証した. つぎに,車椅子の傾斜実験により,車椅子における傾斜認知に関係する平衡感覚,触圧覚,および力覚に関する検討を行い,これをふまえて本研究で構築したシステムの評価をしたところ,傾斜角度を認知するための情報提示に関しての妥当性を確認できた.そして,システムが提示する情報を統合することで得られる現実感の評価においては,良好な現実感が得られることが確認できた.以上の結果をふまえて,次年度には,ウィリー動作が可能となるようシミュレータ機構を付加し,段差乗り越えの訓練効果について検証する.
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