2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22500505
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
松本 忠博 岐阜大学, 工学部, 助教 (00199879)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 三保子 豊橋技術科学大学, 総合教育院, 教授 (30194856)
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Keywords | 手話 / 手話表記法 / Sign Writing / 辞書 / 翻訳 |
Research Abstract |
日本語や英語などと同じように日常生活の中で手話を読み書きするための書記体系(文字体系)としてSignWriting(以下,SW)が提案され,複数の国でニュースレターの発行やろう教育での教科学習などへの利用が試みられている.本研究ではSWを利用した様々な活動を支援することを目的として,効率的な手話文字入力方式と日本語-手話間の辞書機能を備えた手話文書作成環境の提供を目指している.平成22年度は手話文字SW入力の簡単化・効率化を目的として,我々が提案した日本語援用手話表記(JJS表記)からSWを自動生成するJJS-SW変換入力機能の実装・改良を進めた.SWでは手の形や動き,顔の表情などを表す図像的な基本記号を2次元的に配置して視覚的に分かりやすく手話単語を表現する.しかし基本記号の種類は非常に多いため,図形エディタ方式で適切な記号を選択して手話単語を組み立てるのは,特に初心者の場合手間のかかる作業となる.一方,JJSでは手話単語をその単語の意味に近い日本語の語句で表し,単語の語形変化情報を単語のパラメータとして付加して表す.日本語の文字と数種の記号で手話を表すため,日本語の入力に慣れたユーザであればJJS-SW変換入力によって手話単語を容易に入力することが可能となる.手話では手の形,位置,動き,顔の表情などの変化が,日本語における機能語や修飾語と同様の働きをもつ場合がある.語形変化の中でとくに動作の主体と対象・受け手によって運動方向が変化する動詞約80語を市販の手話辞典から抽出し,そのSW表現を分析・分類して,語形変化パラメータを含む手話単語のSW自動生成機能を実装した.さらに,SWによる手話-日本語辞書機能を実現するための準備として,ユーザがSWで記述した手話単語を辞書中の単語と照合し,同定する手法について検討し,既存のアメリカ手話単語辞書を用いてその有効性を検証した.
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